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儚き想い、されど永遠の想い
315部分:第二十四話 告げる真実その四

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第二十四話 告げる真実その四

「弱さは決して悪いことではない」
「それを認め克服できるからこそ」
「だからこそ」
「そうだ。いいのだ」
 伊上は言っていく。
「では。やがてか」
「はい、すぐにその場を設けて」
「私達は真実を言います」
「あの時と同じだな」
 伊上は二人の話を聞いてだ。言ったのだった。
 義正と真理がその関係を公にしたその時とだ。同じであるとだ。
 そのことを言いだ。そしてであった。
 今度もだ。二人に言ったのだった。
「では私はだ」
「先生は」
「一体何をされるのですか?」
「その場を提供しよう」
 今度もだ。そうするというのだ。
「私のこの屋敷に両家の方々を御呼びしてだ」
「そうしてですか。私達が真実を言う場所をですか」
「提供してくれるのですか」
「今回は両家の内輪だけの宴でいいな」
 気を利かしてだ。伊上はそうするというのだ。
「下手に多くの者に知られていいものではない」
「だからですか」
「あくまで両家の内輪だけで」
「そう、そうしよう」
 この考えをだ。今二人に話した。
「それでどうか」
「御願いします」
 義正が答えた。
「それで」
「よし、ではな」
「信頼できる者は最後まで信頼して動く」  
 先程の伊上の言葉をだ。義正はそのまま繰り返した。
 そしてだ。今言うのだった。
「だからこそですね」
「そうだ。まずは信頼できる者に真実を話す」
 それこそがだ。二人のそれぞれの家族達なのだ。
 二人は伊上に言われてだ。実際にだ。
 家族全ての顔をその頭の中に思い浮かべてだ。それで彼の話を聞いていた。そうしていたのである。
 そしてだ。その中でだ。伊上の話をさらに聞くのだった。
 彼はだ。また話した。
「では。日はこちらで決めてな」
「ではその時に」
「私達は」
「勇気には心で報いる」
 伊上は微笑みになりだ。今度はこう言った。
「それが人のあるべき姿だからな」
「だからですか」
「私達にこうして頂けるのですか」
「人はその相応しい人と交わる」
 伊上はまた言った。またしてもその長く深い人生から学んだことである。それをだ。まだ若い義正と真理にだ。心から告げるのである。
 その理由はだ。はっきりしていた。
「君達もそうなるからな」
「だからこそ」
「教えて頂けますか」
「では。勇気を持ってまた来てくれ」
「この屋敷に」
「その時に」
「そうしてくれ」
 こうした話をしてだった。二人は。
 伊上に別れを告げて自分達の屋敷に戻る。その車の中、義正が運転するそれの中でだ。二人だけでその話をするのであった。

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