第十六話 -資産家令嬢殺人事件-
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「一枝さん!やめてください!!」
「!!くっ、離せ!!!!こいつが。こいつらが俺の俺の……!」
「分かってる、分かってます!この人たちが八重子さんを殺したことは!!」
「な!!」
そう、状況を確認しながら移動していたので彼の慟哭と二階堂さんの自供は聞こえていた。どうやら二年前に麗花さんと二階堂さんは八重子という人からライフジャケットとボートを奪い生還したらしい。
「それでも!人を殺すのは誰かが悲しむことだ!!あなたが八重子さんを失って悲しんだように!!」
「っく!!」
「……ごっほ、ごほごほ!くそ、一枝てめえ……」
「大丈夫か!!……一枝さん、二階堂さん?!」
その後、森に捜索に出ていた人たちと合流し、俺は小五郎さんに事情を話した。外で話していると天気が悪くなってきたので全員で別荘の中に入ることになった。俺は二人を皆に任せて風呂場に向かった。
「八重子は、お嬢様に……なんてことを」
「おい、麗花さんは今どこにいる!?お前の話が本当ならもしかしてもう殺しているのか!?」
「そ、そんな……」
「いえ、小五郎さん大丈夫ですよ」
「た、龍斗君。それに抱えているのは麗花さんか!もしかしてもう……」
「いえ、眠っているだけですよ」
「ど、どこにいたんだ?」
別荘内にある心音を頼りに探しました―なんて言えるわけもないのでもっともらしいことを言うことにした。
「溺死した八重子さんの復讐で二階堂さんを噴水の水で溺死さえようとしていたので麗花さんもおそらく同じ殺害方法で殺されると思いまして。水回りのところを重点的に探していたら風呂桶の中にガムテープで固定されている麗花さんを見つけました。風呂桶にはシャワーで少しずつ水が溜まっていましたよ」
「そ、そうか。それで犯行時刻を誤魔化すつもりだったのか」
「一枝さん、さっきも言ったように大切な人を殺された恨みで人を殺すというのは綺麗事の理想論ですがさらに悲しむ人を増やすだけです。この2人の処遇は司法に任せましょう?」
「ふ、ふん。何を言ってるんだ!俺は八重子を殺してなんかいない!!あれは一枝に殺されそうになったから言った口からのでまかせだ!!」
「に、二階堂てめえ!!」
「人殺しをしようとした奴の言葉なんて誰も聞いてくれやしない!!そ、そうでしょう毛利探偵?」
「そ、それは確かに」
「俺も聞いていたんですが?」
「ッハ!高校生の証言と一枝の証言が証拠になるわけがない!!俺は誰も殺してない!!」
―この野郎。別にいう気はなかったがこんな真似されちゃあな。「死の絆」「テープ」か。……行けるか?
「二階堂さん、「死の絆」ってなんですか」
「な、なんのことかな?」
「そーいえば二階堂さんお嬢様の相手は二年前にもう決まっているって言ってたよね?」
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