暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第十五話 -6月の花嫁殺人事件-
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これは血の匂いか!

「三人とも!」
「た、龍斗!先生が血を……!」
「わかってる!」

俺は急いで部屋の中に入ると、新ちゃんが先生の口を洗い流しているところだった。

「た、龍斗!?」
「この匂いは……水酸化ナトリウム!?先生の意識は?!」
「ああ!苛性ソーダだ!先生の意識はない!龍斗!!オメー厨房に行って卵か何かとってきてくれ!」
「大丈夫、あるよ!それから意識がないなら任せてくれ!」

俺はポケットからとったように見せてとある牛乳とグラスを取り出した。

「先生に意識がないなら気管に入らないように俺が体を操作して飲ませる!体を起こして!!」
「!わかった。これでいいか?」

俺は新ちゃんに体を起こすように指示を出しながら俺はグラスにシンデレラ牛乳をいれた。

「いい新ちゃん?俺が指示を出したらゆっくり飲ませるんだ」
「分かった」

俺は先生の喉頭蓋が閉じるように体を刺激し食道入り口部分を広げさせた。

「今!」

新ちゃんがグラスに入れたシンデレラ牛乳をゆっくり飲ませる。食道に到達したあたりから胃に流れるように筋肉を操作しながらある程度流し込んだ。後は呼吸と飲ませるを繰り返して救急隊員が来るのを待った。自発呼吸が弱くなってきたので新ちゃんは止めたが人工呼吸をした。


「誰か、一緒に乗られる方は!?」

救急車が来たのは俺と新ちゃんが延命措置を始めてから10分程経ってからだった。どうやら事故が途中あったらしい。その頃には牛乳を飲ませ終わり、新ちゃんは周りの人に知らせに行っていた。

「誰もこの部屋から出てはならん!娘に毒を飲ませた犯人なのかも知れんからな!」
「で、ですが彼は一緒に病院に!」

俺の口の周りは先生に人工呼吸した際についた先生の血でべっとりと着き、きていた服も血にまみれていた。そして、

「龍斗、口の周りがただれとる……」

そう、強アルカリを飲んだ先生の口に口をつけたんだ。大勢が見ている中で瞬治するにもいかず俺はそのままにしていた。

「俺は良いです、早く先生を病院に!」
「わ、わかりました!」

そういわれて救急隊員の人は部屋を飛び出し暫くすると救急車が離れていくのが聞こえた。

「君……確か緋勇君だったか。いいのかね?」
「俺も容疑者の一人……そうでしょう?それに先生は出血はひどいですが食道、胃には高蛋白で特別な牛乳を。呼吸のほうも弱いですが人工呼吸を続けたので深刻なダメージになっていないはずです。そうでしょう?目暮警部?」
「た、確かに救急隊員はそういっておったよ。普通これだけ時間が経っていれば病院までもつかどうかと言うところだがこの状態なら何とかなりそうだと」
「そ、そうか。小百合を助けてくれた君を疑うのは心苦しいがわかってくれ
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