第十五話 -6月の花嫁殺人事件-
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扉から入ってきた龍斗だった。結婚式に参加するようなスーツや学生服でなく清潔感のある白い服……あれはコックが良く着る服か?…を着ていた。
「あ、龍斗。披露宴の料理の準備はもうええの?」
「いや、あんまり良くないんだがなんとなくこのタイミングなら皆がいるんじゃないのかと思ってね、抜け出してきたよ」
「緋勇君……なんというか、似合ってるわね。その姿」
「私、龍斗君のその姿始めて見たかも」
「まあ、普段は厨房かパーティで挨拶するときくらいにしかみる機会はないだろうからね。普段からこんなかっちりしたものは着ないよ」
オレも初めて見たがいつもの雰囲気より張り詰めているというか仕事モードに入ってるみたいに見えるな。
「そうそう、緋勇君?」
「あ、そういえば言ってませんでしたね。そのウェディング姿とても綺麗でお似合いですよ」
「あ、ありがとう。……じゃなくて!朝言ってた紹介したいって誰のこと?その大岡さん?」
た、龍斗のやつまたナチュラルに人をほめるなあ、先生も赤くなってるし紅葉さんがムッとしてんぞ。
「そうです、俺が紹介したかったのはこの……どうしてむくれてんだ?紅葉」
「べっつに!なんでもあらへんよ!!」
「??まあ、この娘が俺の紹介したかった彼女兼婚約者の大岡紅葉です」
「!!?!??!?っこ、婚約者?!え?」
おーおーおー、あんな先生初めてみたな。そりゃあそうか。先生視点で三年間龍斗のことみてりゃあ「あの」龍斗に恋人が出来るなんて想像もつかないだろうし。
「なんや、照れるなあ。初対面の人に「婚約者」って紹介されるのって」
「……これは、衝撃だわ。多分今日来てる同僚に話しても私と同じになると思うわ」
「そんな大げさな」
「いや、だって私たち教師の中でも緋勇龍斗は女に興味がないってもっぱらのうわさだったのよ?」
「……」
流石にひくついてるな。龍斗はそのことについて先生と蘭たちに散々からかわれてからまた厨房に戻っていった。
オレ達は引き続き先生の部屋にいたが、先生に祝福の言葉を言いに入れ替わり立ち代り来客があり途中女子高生三人衆はビデオカメラの電池を買いに行ったりした。そして、花婿が部屋を訪れ式場に移動しようとしたとき
―――カンッ!!!
…え?
………きゃああああああ!
!!!紅葉の悲鳴?!
俺は先生の部屋を辞した後、厨房に戻り最後の仕上げを行っていた。そんな時、教会のほうから紅葉や蘭ちゃんたちの悲鳴が聞こえた!
俺は厨房を飛び出し教会のほうへ急いだ。向かっている間にも情報を収集する。 『きゅ、きゅうしゃをお願いします!』『園子ちゃん落ち着いてーな!』『だ、だってせん、先生が!』
『くっそ、ないか、何かないか!』先生になに…
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