第十四話 -カラオケボックス殺人事件-
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ら、龍斗君赤いわよ?紅葉ちゃんが来てホント珍しい顔が見れるようになったわね」
「うっさいわい」
「あーあ。なんか話してたらもっと彼氏が欲しくなっちゃったじゃない!それでなんだけど、今度の連休姉貴がうちの別荘で大学時代の人たちと集まるのよね。私も行くんだけど一緒にどう?今日はその招待をしたくて」
「んー、私は大丈夫」
「あー、俺と紅葉は……」
「初日は用事が入っとんね。ウチは実家の、龍斗は」
「俺はチャリティイベントのサプライズゲストで」
「やから、二日目からの朝なら大丈夫やけど」
「じゃあ、二人は次の日に合流ってことで!」
―ある意味、二人が後で来るのは都合がいいしね―そう園子ちゃんが呟いたのに俺だけは気付いた。
―
あっという間に連休になり、俺と紅葉は園子ちゃんの別荘に向かって山の中を歩いていた。昨日の夜から続いていた雨は上がっていたが、土砂降りの雨の痕跡は地面のぬかるみという形で残っていた。
「っもう、このぬかるみ嫌になんねぇ、龍斗」
「そうだな、山荘に着いたら靴の泥洗わせてもらおうな」
「それにしても、鈴木家もこないなとこに別荘たてへんでもええんのに」
「まあ、都会の喧騒を逃れるにしても何かあったら陸の孤島になりそうだよな。地図を見るに、深い渓谷を渡る必要があるみたいだし」
「流石に何かしらの対策はしとるやろ?家族で休暇を過ごすいうても大財閥なんやからいつ外部から緊急の用件が入るかもわからんし」
「電話以外にも無線がある……とか?なんでこんな物騒な話になったんだか」
「龍斗が陸の孤島なんていうからやろ……あ、みえてき……龍斗!」
「ん?」
別荘が見えてきたいう紅葉が俺を呼び、先にある別荘を見るように指をさすのでその先を見ると
「吊り橋が落ちてる?」
「なんや、さっき話してた緊急事態が起きたんか!?」
「まさかの事態だな……携帯の電波も届かないし。……山荘に中に皆いるみたいだし、もしかしたら橋が落ちたことに気付いてないのかもしれないな。ちょっと呼んでみるか」
「呼ぶ?」
「ああ、紅葉は俺から結構離れて耳を目いっぱい塞いでくれ」
俺はそう言い、紅葉に離れてもらった。離れていく紅葉指示をジェスチャーで出しながら50m位離れてもらい耳を塞いでもらった。よし。
『園子ちゃーん!蘭ちゃーん!!山荘に誰かいますかーーーーー!!!』
俺は山荘に向けて手加減しながら大声を放った。山にいた鳥は一斉に羽ばたき俺の周りにあった樹は音の衝撃で外側にかしいでしまった。前方にあるターゲットにした山荘にある窓がびりびりと震え、あ、割れた……ま、まあ誰かは気付いてくれるだろ。窓は後で弁償しよう。
「え、えらい大きな声やったな、お腹の底からびりびりしたし。離れて耳塞いでウチに向けられ
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