第十三話 -月いちプレゼント脅迫事件後-
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「SP透影?」
「ああ、俺が前世で透影という蛇と人に極めて友好的なSPカメレオン、様々な毒を体内で調合するポイズンバードという3種類を掛け合わせて品種改良した護衛用の動物だよ。護衛対象、この場合は紅葉だね。紅葉に危機が迫れば瞬時に紅葉を異空間に退避させる。例え、目の前で核爆弾が爆発したとしても無傷で生還できるし、食べ物の毒物が入っていたらポイズンバードの遺伝子から引き継いだ能力で気づき紅葉がそれを食べるのを防いでくれるよ。それに普段はカメレオンの特性で全く見えないから紅葉も護衛してくれていることを忘れるんじゃないかな?」
「へえ。なんかすごい動物なんやな。こんなにちっさくて可愛いのに。それでなんでウチに?」
ひよこほどの大きさのSP透影を撫でながら、紅葉は俺にそう言った。
とある日の放課後、帰宅してすぐ俺はトリコ世界に行きとある生き物由来の製品と俺が品種改良したモンスターを二匹連れて帰り紅葉に渡した。蘭ちゃんと高校で話すと、頻繁に事件に遭遇するようになったと言っていたのでまあ過剰戦力だが護衛として渡すことにした。唯こいつには一つこの世界で渡すには欠点がある。
「こいつは普段は透明になって護衛してくれるのだけど、とあることを毎日しないと拗ねて二度と護衛してくれなくなるんだよ。それが一日に最低10分は姿を現して、護衛対象に撫でてもらうこと」
「あら、可愛らしい性格しとるんやね。でも……ああ、だからウチにだけ渡すんやね」
「そう、結構奇怪な動物だからね。トリコ世界のことを知っている人にしか渡せないんだ」
俺がこの掛け合わせをした時、人が好きで守っているのにその相手から忘れられるのは可愛そうすぎるということで何とかこの習性を植え付けるのに苦心した。
そのことに関しては後悔はないし、産み出した後もそのことに対して文句を貰ったこともなかった……が、こっちで護衛してもらうには障害になるとはね。
「こいつは頭もいいから、人目につくところでは出来ないことを教えておけばそこは考慮してくれるよ。撫でてほしい時は頬を突いて教えてくれるから忘れることもないだろうし」
「そやなあ、この子を可愛がるのはいくらでもかまへんけどこの子について聞かれるのはかんべんやね」
とりあえず、これで俺がいないところで事件に巻き込まれることもないだろう。料理関係で自重を捨てたんだし、好きな女を守ることに自重なんていらないだろう。
「これ、新一君とか蘭ちゃんにこそ必要やと思うんやけど今は無理かなあ」
「まあ、いずれね」
―ピンポーン!−
「お?」
「あら、来客?誰か来る予定やったん?」
「いや、今日は仕事も入れてないし。そもそも紅葉と夕飯作るっていう約束だったろ?」
「知っとるよ、龍斗がウチとの約束と他の約束を黙ってブッキングしたりせえへ
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