暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第十二話 -ジェットコースター殺人事件後-
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ。薬で小さくなったって」
「……あの雨の中。家の中から……?」
「なんとまあ、ワシも運動神経がいいとはおもっとったが。そんなことが……」

俺の告白に呆然とする二人。まあそれもそうか。片や真実を追い求める探偵、片や物事の理を追及する科学者。こんな常識はずれなことがあるわけないと、でも事実として存在するわけだから混乱するよな……実際はもっとおかしい存在だけど。

「まあそういうわけさ。普段からそういうわけじゃなくて有事の際に開放するって感じだけどな。ON/OFFが切り替えられなきゃ俺は今頃廃人だよ」
「た、確かに人間の限界を超えとるからのう。パンクしてしまうか」
「ま、まあそういうことなら理解できなくも……ないか?コンクリに拳の跡をつけられる蘭といい、龍斗といいなんでそんな常識はずれな力を持ってるんだよ……」

なにかあきらめた表情な新ちゃんがそういって、疲れた様子で阿笠邸を後にした。

「じゃあ博士。俺もお暇するね」
「分かった。ワシもこれから新一の力になるメカの開発に移ろうとするかの」
「あんまり、爆発するようなものばっかり造らないようにね?」
「なにをいう!ワシの発明品は安全第一に!じゃ!!」
「なら、開発中も安全第一にね。これ、おやつにでもして」
「おお!久しぶりじゃな!龍斗君のお菓子を食べるのも!これは…フロランタンか!ありがたく頂戴するよ!!」
「あまり一気に食べないようにね。博士ももう若くはないんだから。なんなら俺が健康志向のメニュー考えて作ってあげようか?」
「ははは……それはまた今度にでも頼むことにしようかの。一度頼むと頼りっきりになってしまいそうじゃ」
「じゃあ、またおいおいね。今日は俺も帰るよ」
「それじゃあな、龍斗君」

次の日の朝刊を見ると、「人気アイドルの部屋で自殺?!その場にいた毛利探偵が巧妙に仕組まれた事件の謎を解く!」という見出しがトップを飾っていた。……ああ、そういやそんな事件もあるんだっけ?ダメだ、起きた後にしか思いだせないな。

「これ、蘭ちゃんのお父さんが解決したん?」
「多分、新ちゃんが誘導したかどうにかしたんだと思うよ」
「そうなん?」

俺の横から新聞をのぞき見た紅葉が聞いて来たのでそう答えた。

「昨日、変声機を博士に貰っていたからそれを駆使して事件の謎を解いたのかもね」
「なるほどなあ。……っと。龍斗、もうこんな時間や。はよう、がっこいかな」
「ああ、もうこんな時間か。じゃあ行くか」
「うん」

紅葉と一緒に教室に入るとちょっと上機嫌に見える蘭ちゃんが園子ちゃんと話していた。

「ふたりともおはよう。蘭ちゃん、機嫌よさそうだね」
「おはようさん、ふたりとも」
「おはよう、あのね!……」

どうやら、トロピカルランド以来に新ち
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ