第十一話 -エピソード ONE 小さくなった名探偵-
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田陽菜選手。これまでの相手と違い蘭ちゃんと実力は拮抗していた。
「っは!」
「!やっ!!」
蘭ちゃんの右手正拳突きをかがんで躱した和田さんが、身をかがめた体勢のまま隙のできた蘭ちゃんの腹部に左中段蹴りを決めた。
「赤。中段蹴り、技あり!続けて始め!!」
和田選手は再開から猛然とラッシュをかけ、蘭ちゃんに圧力をかけていく。蘭ちゃんも反撃を行うが冷静に対処されてまた連続突きを掛けられてしまう。――あ!ダメだ!!
「やめ!」
状況の打開のためにはなった右中段の回転蹴りを間合いを潰されることにより威力を殺され、決まらなかったことによる反動で転倒してしまった。……ちょっと、焦ってるな。焦りがそのまま技の粗さに出てる。
「もう、なにやってるのよ…蘭っ!!」
え?園子ちゃん?立ち上がって何を。
「らーん!気合よ、き・あ・い!!根性!根性!!ど根性!!!」
身振り手振りを交えて大声で応援するその姿に、会場の観客は笑いがこぼれた。微笑ましいというより何やってんだあの子、というたぐいの笑いで気分は良くないが。
だが、蘭ちゃんはいい具合に気が抜けたかな。
「……ええ子やね、園子ちゃん」
「ああ、自慢の幼馴染みさ」
位置に戻り、試合の再開のために構えをとった蘭ちゃんだが、審判に帯がほどけているのを指摘され、帯をしめなおすことになった。その時、後ろを向いて試合会場入り口の方を見て……あれは新ちゃん?なになに『わりい、蘭。じ、け、ん』……そりゃねえぜ、新ちゃん。
「この推理オタクがああああああ!!!!!!」
蘭ちゃんは無事優勝した。あの後、黒いオーラを発して和田選手と審判団をドン引きさせた蘭ちゃんは先ほどまでの動きが嘘のような怒涛の攻めを見せた。オーラに気圧された和田選手にはそれをしのぎ切ることはできず結局蘭ちゃんが一本勝ちした。
「こ、これも愛の力っていうんやろか?」
「多分、違うと思うぞ」
「トロピカルランド?」
「ああ。明日の土曜日、蘭と一緒にトロピカルランドに行ってくるんだ。優勝したら連れて行くって」
大会のあった次の日の金曜日。連れションしたときに俺は新ちゃんにそう言われた。そっか、明日なのか。
「なあ新ちゃん」
「んー?なんだ?」
「俺はね、新ちゃんたちのことが本当に大好きだ。だから、大変なことが起きたら俺を頼ってくれ。迷惑なんて思わない。例えどんなありえないことでも」
「な、あんだよ急に」
「探偵ってのは死と隣り合わせなんだろう?最近の新ちゃんは調子に乗ってる感があるからね。余計なことにまで首は突っ込まないこと。もしそんな目に合ったらって思うとお兄ちゃんは心配なんだよ」
「はいはい、ンなことは分かってますよ。ありがたく忠告はちょーだいしと
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