129背乗り
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
舞の悲鳴と共に、現在の太陽系を包んでいる書き割りのセット、4次元的な背景が破れ、その後ろにある本来の空間である、別の宇宙が見えた。
何度か天孫も降臨させ、この世の理を書き換えて、天使の人形が扱いやすい時空にして包んでいた殻が割れた。
7年前の空間までは自由にできる場所、それでも7年以上前の世界には手も触れられない場所。
正十二面体で、端まで行くと逆方向から戻ってこれる空間。4次元球で構成され、反射すると角度が変わって戻るので人類には反射を認識できない。
プラネタリウムのように、外側の空間を偽装していた、背景のセットを舞が壊してしまった。
(イヤアアアアアアアアッ!)
この世に半身を置いている舞も、あの世に置いている半身を暴れさせ、手の届く範囲のセットを破壊した。
弟で運命の少年に拒否された、世界自体が間違っているので、全て終わりにしようとしたのかも知れない。
三次元的に表現すると、ゴムの薄い膜の上に重量がある球体を並べて、重力で垂れ下がるように空間が曲がっている部分。
その膜が破れてしまったので、太陽の重量でもっと裂けて、ゴロンと落ちてしまえば、この世界から太陽が消える。
(あ〜あ、セットの背景壊しちゃったよ、いつも酷いことをする姉さんだ。世界中凍らせるつもりかい?)
何度かこのタイプの破滅も味わい、ビッグリップで太陽系ごと消滅した世界。
ここでの実験に失敗すると、7年前まで戻って固定してある空間に行ってやり直しは効くが、新しく実験世界を構築するには、サーバーPC最初から組んで、OS入れ直してアプリケーションやメールの設定まで全部やるより、多少多めの労力がいる。
(普通の人間なんかゴミなんだろ? じゃあ、その力であゆちゃんを生き返らせてよ、あの時出来なかった魔法も、今なら使えるだろ?)
(いやあっ、いやあああっ)
あゆも、その母も妖狐の血を継いでいる化け物の一族で、月宮姓まで名乗れる直系。
お側に仕えて、祐一様のご学友や嫁候補に選ばれるぐらいの術者なので、ゴミである人類のように、適当に体をつなぎ合わせるだけでは復活しない。
栞や香里のように、現世で命のロウソクだけ継ぎ足して、無理やり生かすことも出来ないし、あの世や虚数空間に繋がっている部分は、天使の人形でも手出しができない。
そして、あゆ本体はまだ舞に呪われていた。
あゆの復活には、舞の死亡、除去、破滅などの処理が必要なのも学習している。
舞には姉弟の縁もあり、グラウンドゼロで会わない、助けを求めないという選択肢が存在しないので、必ずあの場所で出会って縁を深め、あゆの命も繋ぐ。
しかし約束を果たして魔物の力を使って遊んでしまうと、もうその縁は誰よりも強力になってしまい、胴体以外を全員殺す、全人格を殺す、佐祐理と一緒に破滅させて犠牲
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ