ペルソナ3
1966話
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の会話があった。
幾月が怪しい……限りなく黒に近い灰色であると、そう武治に言った以上、俺の方でも幾月の動向には注意をしておく必要があるだろう。
勿論、向こうが何かを企んでいるのか、それで分かる訳ではない。分かる訳ではないが……妙な入れ知恵によって、ゆかりや美鶴達が痛い目に遭うというのは避けたい。
それに、昨日の一件で映像は桐条グループの専門部署が調査中だ。
幾月がそれに対して焦っていれば、妙な行動に出るという可能性は捨てきれない。
もっとも、幾月には子飼いの戦力がない。
敢えて上げれば、美鶴達が子飼いの戦力って事になるんだろうが……美鶴達が、そんな行為に協力する筈もないだろう。
そう考えると、幾月が出来るのは……研究者だけに、ハッキングとか?
長谷川とかルリ、ラピスといった面々であれば、それこそこの世界のコンピュータには容易にハッキング出来る筈だ。
しかし、幾月がそのような真似が出来るかと考えれば……微妙なところだな。
もしかしてアイギスを起動させたのは、そっち関係の理由もあるのか?
アイギスはロボットだけに、プログラム次第で自分の思い通りにする事も可能な筈だ。
だが、実際にそれを行うよりも前にその場から逃げ出し、有里の下に向かった。
……可能性としては否定出来ないのか。
そんな風に思いながら、俺は美鶴達と共に別荘の中に戻る。
そして別荘の一室に向かうと、そこでは幾月が待っていた。
アイギスを無事に連れてきた事に喜びの表情を浮かべる幾月だったが、そこに俺がいるという事を疑問に思ったのだろう。不思議そうな視線をこちらに向けていた。
「何故彼が?」
「アイギスを見つけて別荘に戻ってきた時に偶然会ったので」
特に動揺した様子もなく、美鶴がそう告げる。
幾月の方も、少し驚いた様子は見せたものの、特に嫌がるといった様子を見せるような事はないまま納得したように頷く。
ふむ、こうして見る限りでは、やっぱり幾月が何かを企んでいる……という風には見えないな。
それだけ幾月が自分を偽るのが上手いという事なんだろうが……どうやってその辺の能力を鍛えたんだろうな。
それとも、天性のものなのか?
「そうかい。じゃあアルマー君もアイギスの話を聞いていく、という事でいいのかな?」
「ああ、そうしてくれ。まさか、アイギスのような存在がいるとは思ってなかったから、話は聞かせて欲しい」
「へぇ、アルマー君でも知らない事はあるんだね」
「当然だろ。俺を何だと思ってるんだ? 俺が知ってるのは、あくまでも俺の知識の範囲内の事だけだよ」
茶々丸の件もあるから、アイギスのような存在について全く何の知識もなかった……という訳ではないのだが、その辺りは隠しておいた方がいいだろう。
「ふむ
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