第十話 -龍斗の悩み-
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新一君のままやといずれ危ない目に合うんやないかって思う。もしかしたら周りの人も。現実の人は推理小説みたいにものわかりのええ人ばっかやないってことが分かってないんやと思う。こればっかりは痛い目に合わな分からんやろ?それに……」
「?」
「困ったら、助けてあげるんやろ?困ってない時から助けるなんて傲慢やで?」
「傲慢?傲慢……傲慢か。そうだな。その通りだ。ありがとな。俺なりに答えが見つかったような気がするよ。それから……」
「それから?」
「俺の秘密、教えさせてくれ」
「え、でも……」
「俺が。話したい。これは俺の我儘だ。でもこれを聞いたら紅葉は今までと同じように見れなくなると思う。それでも俺のすべてを知ってほしい」
「……そない、重要なこと?」
「ああ。そしてそのことを知って貰って俺は。紅葉に味わってもらいたいんだ」
「??」
「俺の人生の最高のフルコースを」
そして俺は語った。俺が前世の記憶があること。前世の世界の事。その世界はこと食事のことに関してはこの世界と雲泥の差があること。前世で1000年生きたこと。前世で美食屋兼料理人をしていたこと。今もその世界と行き来する事が出来る事。いつかはその食材を使った料理を紅葉に食べてもらいたかったこと……
話さなかったことは「名探偵コナン」のこと、そしていずれは魂の管理者=神のような存在になることだけだ。
全てを語り終わった時、もう深夜を回っていた。
「……なんか、突拍子もなくて。どう反応すればええのか全然分からんのやけどとりあえず」
「とりあえず?」
「前世に恋人はおったん?」
「へ?恋人?」
「そや、そや!恋人、好きな人、ラヴァー!なんでもええけど恋人は?!」
「ああ、いや。孤児院の運営とかで俺の子供はいっぱいいたしそこの先生といい雰囲気とかになったことはあったけど。不思議なことにいなかったな。子供を育てる事、食の探求と料理を振る舞う事、食材を取りに行く事、宴会で知り合いとバカ騒ぎすることに人生を費やしてたな」
「そ、そなん?ならよし!」
「いいのかそんなんで?結構ありえないことだぞ?気持ち悪くないか?」
「ビックリはしたけど、気持ち悪いなんてあらへんよ。過去がどうこう言っても今おるのは龍斗やん。好きな人がちょーっと長生き?ですっごい力もってるだけやろ。それよりそのトリコ世界?にウチも行けるんやろか?」
「あ、えなんかちょっと逆に俺が混乱してるから待ってくれ」
「……ウチは、龍斗にぞっこんなんや。殊更悪いことをしてるんやないんやからそないなことで嫌いになったりせーへん。幼馴染み三人もきっとそうやで?まあこの世の理から外れてるからリアリストの新一君に話しづらいんやろ?いつか話せるとええね」
「……ああ。そうなるといいな」
実はこっそり向こうでノッキング
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