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名探偵と料理人
第十話 -龍斗の悩み-
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「ウチは「YOU」を」
「あー、オレはいいよ。歌うの好きじゃ「ほい、Drive Me High」って、龍斗―!?いっつもいっつも勝手にいれんじゃねえ!ってか割り込みで俺一番最初かよ!!」
「カラオケ来るたびに何回も同じやり取りをしてるからねえ。割り込みじゃなくて自分のを入れる前に新ちゃんのを先に入れる癖が出来ちゃったよ」
「くっそ、おぼえとけよ……」
「新一君、歌嫌いなん?」
「紅葉ちゃん初めてだもんね、驚くと思うよ…」

そうして、カラオケによる期末テストの打ち上げが始まった。

「……な、なんというか。なんともいえへんね」
「いいのよ、言っちゃって。音痴だ―って」
「そうそう、新一ってバイオリンとか楽器は大丈夫なのに歌は壊滅的なのよね」
「うっせーな!だからきたくなかったんだよ。なのにいっつもいっつも連れてきやがって!」
「いいじゃない、音痴でも歌が下手でも歌う事って楽しいよ?」
「へいへい」
「だいたい新一は……」

「あー向こうはほっといて私達だけでも歌いましょうか。それにそしても紅葉ちゃん上手いじゃない!びっくりしちゃった」
「おおきに、でもみんな上手やったやん!……彼以外」
「そうなんだよなあ、新ちゃん耳はいいのになんでか外すんだよな。自分の歌声聞いてて音が外れるのに気持ち悪く感じたりしないんかねえ」
「まあまあ、旦那の悪いところは今嫁が「誰が嫁よ!」「誰が旦那だ!」……説教してるからいいじゃない。私はまだまだ勉強で溜まったストレスを開放しきってないわよー!!さあ歌うぞーーーー!」
「ふふ、ほんに。愉快な方やなあ、園子ちゃんて。ウチも入れよ。ほら龍斗も」
「ああ」

そうやって、俺達は普通の高校生の生活を楽しんでいた。そう、ずっと何もなければこうやって遊んで勉強してバカやって……

「はあ、楽しかった!そういえば蘭。期末が終わったけどすぐにこれから部活が忙しくなるんだっけ?大変だねえ」
「うん。都大会が近いからね。去年は数美先輩に決勝で負けちゃって準優勝だったし。ライバルの陽菜ちゃんも今年は気合入ってるって杯戸高校に友達がいる空手部の部員に聞いたし。でも空手漬けって感じじゃないけどね」
「今年こそは絶対優勝できるよ!私たちも応援に行くし!!ねえ、紅葉ちゃん!?」
「ええ、ウチも頑張って応戦するさかい、優勝してな」
「が、がんばるね!」
「……」

そう、二年にあがってすぐある空手の都大会。そしてもうすぐオープンするトロピカルランド。いくら記憶が擦り切れていてほとんど覚えていない原作知識だがこれだけはしっかりと覚えている。




―工藤新一が江戸川コナンになった日―




それが、刻一刻と近づいてきた。13年間続いてきた日常が崩れる日は近い。俺はどうすれば
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