暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
青年期〜原作開始(〜20巻)
第九話 -ファンタジスタの花、紅葉来訪-
[8/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
配しており、私語もなくその雰囲気に教師も飲まれたのか粛々と授業は進んだ。

「そ、それでなんだがな。緋勇。彼女のことについて聞いていいか?なんだかただならぬ関係なのは分かるんだが。その本人がニコニコしながらお前の腕に抱きついて顔をじっと見てるだけで反応しないから聞くに聞けなくってよ……」

お昼が始まったので昼食を取ろうとすると紅葉はすっと寄ってきて腕に組みついた。お昼を食べるように言っても聞かないのでいつも持っているお菓子から金平糖を出して口元に持っていくと嬉しそうについばんだ。

「ああ、まあうん。俺もこうなるとは思っていなかった。どういう関係って言えば現在恋人将来の婚約者?って感じだ」

婚約の言葉が出たところで紅葉はより一層抱きついてきた。……やばい。

「こ、こんやくしゃあああああ!!!!!??」

その声に転校生を見に来ていた野次馬もクラスの残ってた連中も大騒ぎになった。





放課後になった。あのあとは収拾がつかなくなり大混乱が起きたがそのまま昼休みが終わってしまい昼食を食べ損ねてしまった奴らが更に騒いでいた。
どうせ放課後もうるさくなりそうだったのでさっさと帰ることにした。

「紅葉って今どこに住んでるんだ?送っていくよ」
「ウチは今ホテルに住んでってん。中々いい物件があらへんので。龍斗クン、心当たりない?」
「心当たりねえ、じゃあ散策も兼ねて少し近所を回ってみようか。放課後の用事は?」
「ウチはもう帰るだけです」
「あ、今日わたし稽古があるから部活に行くね」
「私もテニス部の部活あるから〜後は任せた新一君」

そういうと女子二人はさっさと教室の出て行ってしまった。そして残った一人に自然と目が向けられた。

「あ、えっと。確かにオレは今日何も用事はねーけど」
「じゃあ一緒に帰るか、紅葉もいい?」
「ええよ」
「それじゃあ校外に出よう。紅葉、新ちゃん」

俺は二人を伴って近所の不動産屋を回ったが紅葉の琴線に触れる物はなかった。

「中々ないもんだなー」
「そういえば、紅葉は一人でこっちに来たのかい?」
「いいえ。傍仕えの伊織が今ホテルに待機してはります。あ、もちろん部屋は別ですよ!?こっちに来る許可をくれた両親の条件が伊織を伴って、やったんです」
「じゃあ、俺の家に二人で下宿するかい?ほぼ一人暮らしだし元々部屋は余ってるし。両親には好きにしてもいいって言われているから反対はされないと思う。二人っきりの同棲だと問題あるだろうけど大人が一人でもいれば印象がだいぶ違うだろ?」
「……ウチ、こんな幸せなことがあってええんやろか……?同じガッコで同級生やるだけでもいいって思ったのにプロポーズされてそれにこれから一緒に住もうって言われるなんて。まあ二人っきりやないのが不
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ