暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
青年期〜原作開始(〜20巻)
第九話 -ファンタジスタの花、紅葉来訪-
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のか探るような視線はやめた。

「それで?オレ達も約束のことは教えてもらってる。から、わかんねーんだよな、大岡が転校してきたのが。約束の内容からまだ会う時期じゃないんじゃねえか?」

「それは……」

そうして紅葉が語った。俺が中一でパティシエ世界一をとったことで約束をこんなに早く果たしてくれてうれしかった事。でも料理人になると言っていたのにパティシエ世界一であることに疑問を持ったこと。中三で高校生皐月杯で優勝したことで一応の日本一になったことで会いたい思いが強くなったこと。そして大岡家の力を借りて調査し俺が国内外問わず色々なパーティのデザートだけではなく料理を作ることによってもしかしたら…と思ったこと。因みにパーティで俺と会うことがなかったのは紅葉が避けていて遠目から俺のことを見たことはあって、そして料理を作る真剣な姿に見惚れていたこと。そして高一で取材を受けたとき俺も取材を受けることをCMで知ってもし自分のことを意識してくれていたら何か反応があると思ってあの言葉を掲載してもらったこと、そして12月発売の俺のコメントをみて……

「いてもたってもいられんかったんです。あの約束は、ウチにとっての日本一はクイーンになることです。でも会いたいって思いがどうしても強くなりすぎて。あの約束を。世界一になったらなんて途方もない夢をかなえていく姿を、遠くで見ているなんて耐えられへん!!」

紅葉は泣いていた。他の三人はその迫力に圧倒されていて一言もしゃべれない様子だった。

「紅葉。そこまで俺のことを想ってくれているなんて想像もしてなかった。俺も、あの対戦で君のその真っ直ぐな瞳を見てから、その瞳で俺のことを見続けていてほしいと成長するにつれ想うようになった。あの時、俺は紅葉の在り方に惹かれていた。俺は紅葉の事が好きだ。だけど俺も紅葉もまだ約束を半分、果たしただけだ。でも俺はここまで想ってくれている離したくない。だから俺と付き合ってくれ。そして、お互い約束を果たしたとき結婚してください」
「「「「!!!!」」」」

いきなりの俺の告白に衝撃を受けた様子の四人。そりゃあこれ、もうプロポーズだもんな。
沈黙がしばらく続いた後。

「ふ、ふつつかものですがよろしくおねがいします……」

そう、小さな声で返事を貰った。



フリーズしたままの三人もつれ、俺達五人は教室へと帰ってきた。俺と紅葉が手をつなぎ、紅葉の顔はその名に変わらぬ真っ赤にして。他の三人も茹でダコのように真っ赤になってフリーズして機械的に足を動かし席に着いたのを見て、俺達に突撃したそうにしていたクラスメイト達もただ事じゃないことが起きたことを察して自重してくれた。

その後、やっと三人のフリーズが解けたのは昼休みに入ったころだった。それまでの授業は妙な緊張感が支
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