暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
青年期〜原作開始(〜20巻)
第九話 -ファンタジスタの花、紅葉来訪-
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心に残ってる。この雑誌を見るに思った通り綺麗になってたしな」
「おお?おお?龍斗君にしてはホント珍しい反応だね!もしかしたらもしかする!?」
「さてね。でもいきなり結婚ってことには行けないだろ?次会ったとき、俺が本当に世界一になっていたら告白してみるよ。お嫁さんにして!って向こうから言われたから今度はこっちから付き合って下さいってね。まあ向こうが覚えてるとは限らないけどな」
「ええ、絶対覚えてるわよ!いいじゃない、ラブロマンスみたい!」
「……それで?本当の世界一ってなんだよ。もう世界一の称号は二年前にとってんじゃねーか。あと、臆面もなく告るなんてよく言えるな」
「四年ごとにある大会。あれのシェフ部門に出る。次は二年後の高校二年生。父さんが優勝した大会だ」
「……っは!?いや、まあ確かにお菓子作りの腕だけじゃなくて料理もウメーのは知ってる!でも流石に二回も推薦枠で出るのはリスキーじゃないか?それにオレも調べたけどオメーんとこの家族がおかしいだけで普通は30歳以上のベテランばっかでてんだぞ?30でも若い方だ!!」
「そこは、地道な努力が実ったってことで。スイーツ目的で呼ばれたところで料理を作ったりしてな。着々と実績作りは積んでるんだ。あと二年。その伝手で参加権を勝ち取って見せるさ」
「ほへー、確かその大会の最年少優勝記録って緋勇のオジ様よね?確か20代前半。二つして破るつもり?」
「当たり前だよ、なんたって俺は……」
「「「父さんと母さんの子供だから」」」
「耳にタコができるくらい聞いたよ、そのセリフ」
「ははは……」
「じゃあそれで優勝したら……キャー――!OK貰えるといいわね!!」
「しかし、大岡家に龍斗君を盗られるのはなんか釈然としないなあ。うちでシェフする話諦めてないのよ?」
「盗られるって園子ちゃん……まあそんな感じさ」

俺がこんな話をするのは初めてだったので最初は面食らってた三人だったが最後には応援してくれた。…意外と、離れて大きくなる想いってのもあるもんだな。


そして、俺達は中学校を卒業した。





卒業してから帝丹高校へと進学する春休みの間、俺は実績作りのためにずっと海外にいる両親について多くの料理を作っていた。学生である以上、そしてあの宣言をした以上、時間がガッツリとれるのは休みの間だけなので俺は入学式ぎりぎりまで海外で腕を振るっていた。帰ってきたのは入学式前日のことだった。



「え?NYに行ってきた?」
「ああ、俺と蘭とで二人でな。散々だったぜ、飛行機でミュージカルで殺人が起きて。しかも連続通り魔にも遭遇するしよ。唯、蘭には事件のことは何も言わないでおいてくれ、忘れちまってるみてーなんだ」
「忘れている?」
「ああ、高熱でぶったおれたんだ」

くっそ、これ
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