第七話 -世界大会、他色々-
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パイを作ってる顔を見れば意固地になってるんじゃないってことくらい分かる。まあ野暮だなこれは。……受験大丈夫なんかね?
「先輩、頑張って下さいね……」
けど最近の一年坊主が先輩にちょっかい欠けてるって噂、何とかしてくださいな。料理部で一緒にいる俺じゃないかって園子ちゃんに言われるし他の男子生徒にやっかみ言われるし。騒がしい中学生活なんて勘弁してください。
―
「パティシエ世界一を決める大会?」
「ええ。お母さんが17歳の時に優勝して龍麻と出会った記念すべき大会よ」
「それで、その大会がなんだって?確か、四年ごとの開催だから……ああ、今年開催されるのね」
「実は、もう一度私にシークレットメンバーとして出てほしいってオファーが来てね。別に私が出ても良かったんだけど聞いてみたら私の推薦ならその人でもいいって言ってたのよ。ほら、春先に約束したじゃない?どうしてもってなら学校を休んでも来るって」
「うん、まあ今回が初めてだけどね。特に学校の重要行事もないし行けるけど。それで俺に出てみろって?」
「世界一の料理人になるんでしょう?まずは世界一のパティシエになりなさい……それに愛する息子に史上最年少記録を塗り替えられて、しかも称号もお揃いっていい響きじゃない♪」
「わかった、わかったから。落ち着いて母さん!!」
しっかし、本人じゃなくて推薦でもいいって…いや、推薦した相手が無様をさらしたら推薦した方の評判も落ちる。それを見越しての推薦ありなのか……母さん。
「……わかったよ、母さん。俺、世界一の称号とってくる!」
「あらあら、気が早いわね。でも、そんなに気を張らなくていいのよ?」
「いいや、やるよ。俺は母さんの子供だから。それで?大会っていつあるの?」
「3日後よ」
「3日後!!??」
それが、今朝あった出来事だ。今日の学校が終わったら直ぐに空港に向かい大会の舞台であるフランスに飛ぶ予定だ。
「はあ!?『ヨーロッパの鉄の砦、その礎はヘロインによるものか!?』だと。レイが麻薬、んなわけねえだろ!」
ん?なんか新ちゃんが騒いでるな。
「どーした、どーした新ちゃんよ。朝っぱらから大声出して」
「大声も出したくなるぜ!レイのスーパープレイは麻薬という魔法の薬のおかげだって言われちまってるんだからな!!」
話を要約すると、新ちゃんが大ファンのサッカー選手「レイ・カーティス」に麻薬使用の疑惑が出たそうだ。しかも書いた記者が胡散臭い記事を書くことで有名なエド・マッケイだということが更にヒートアップしている原因らしい。
「っくっそう。こんな記事に負けるんじゃねえぜ、レイ!!オレはずっと応援してっからな!!」
「はいはい、落ち着け落ち着け。もうこの話題は置いとこう。でっち上げなら裁判でも起
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