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名探偵と料理人
第六話 -小学校卒業までの色々-
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「ひっくひっく、だって素人に負けたんよ。あんだけ言ってたのに。カルタで。ウチ…」
「カルタが大好き……なんでしょ?」
「…どうしてわかったの?」
「わかるさ、だって……」

俺は平ちゃんに説明したことを再度説明した。

「だから、決勝戦の間ずっと君を見てたんだよ」
「あ、あう……」
「もし、君が手の動きや目線でフェイク、はったりを混ぜてきたら俺はそれにつられてお手付きを連発してたよ。君が真っ直ぐにカルタに向かい合ってたから今日は勝てたけどもっと上手くなったら次は勝てないかもしれないね……って顔赤いよ?」
「べ、別になんでもあらへん。じゃ、じゃあ次!もっとウチが強うなったらもう一回やってくれる?」
「ああ、いいよ。その時には今日みたいなやり方じゃなくて実力で戦うよ。それにしてもうん、涙は止まったみたいだね。やっぱり笑っている方がいいよ。せっかく綺麗な顔をしてるんだし。将来君をお嫁さんに出来る人がうらやましいよ」
「ま、またそんなこと言って……!そんなにいうならウチ、もっともっと強うなる!それでもし、日本一になったら龍斗クンのお嫁さんにして!」
「はい?え、あ、なんで?」
「だって、ウチのこと綺麗だ可愛いだお嫁さんにする人はうらやましいって言ってましたやろ?それとも嘘なんか?」
「いや、別に嘘なんかじゃないけど。じゃあ俺も。俺の夢は料理人になることだ。そこで俺が世界一になって、もし君「紅葉!」…紅葉が大人になっても俺のお嫁さんになりたいって、好きな人がいなくてそう思ってくれたのなら俺を君の旦那さんにして下さい」
「せ、世界一?で、でもホンマにホンマですか?!男が言ったことは簡単に曲げたらあきませんよ!?」
「ああ、約束だ」

そういって、俺は小指を紅葉に差し出し指切りをした。まあ子供…っていうにはちょっと遅いけど、こんなちらっとあった男の子との結婚の約束なんて大人になれば忘れてしまうだろ。紅葉なら好きな人と幸せな家庭を作っていける器量は十分にあるだろしな。なんか指切りしたところを伊織って呼ばれた人が写真に撮っていた気がしたけど……まあ気のせいか。

「ねえ、龍斗クン。料理人って何を作るん?」
「んー。まあなんでもかな。和洋中は基本としてもいろんな国の料理を今勉強してるよ。あとお菓子作りとかね」
「お菓子も作れるん!?」
「今、手持ちにあるのは金平糖位だけど食べる?」
「食べてみたい!!……美味しい!こんなおいしいお菓子食べたの初めてや!!」
「いやいや、おおげさだって。機会があったらもっと美味しいのを作ってあげるよ」
「ホンマ!?」

その後、紅葉とおしゃべりをした。伊織さんが時間だと告げると少々駄々をこねたが、最後には笑って別れた。俺は外で待っている平ちゃんたちの事をすっかり忘れていたのでそのご機嫌
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