第六話 -小学校卒業までの色々-
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タで負けたことないし楽勝やな。はっはっは」
「む」
流石にそこまで言われて引き下がるわけにはいかんかな。ルールは……ふむふむ上の句に合う下の句をとると……いや百人一首暗記してねえと無理じゃねえか!!くっそどうする。あのドヤ顔の平ちゃんはうざい、負けたら一生言われるな。
「素人さんが勝てる程、カルタは甘くはありません」
俺達が三人で騒いでいると後ろからそんな声が聞こえた。振り向くと青年を後ろに従えた俺達と同い年くらいの上品な服を着た綺麗な顔立ちをした女の子がいた。…んー?彼女、大岡家の?
「素人さんがまぐれで勝てる程カルタは甘くはありません。この大会はうちの優勝で決まりやね。いこか、伊織」
「はい、お嬢様」
そういうと二人は奥の会場に向かっていった。
「なんや、あの娘!平次、龍斗君!あないな子に負けたらアカンで!」
「おうよ、和葉!絶対負けへんで!!なあ龍斗!」
「わかったよ……なんとかする」
とはいったもののどうするか。これはちょっと裏ワザで勝たせてもらいますかね。
カルタ大会が始まるまで百人一首を一通り目を通した。何首かは覚えたが流石にカルタやってる人には遠く及ばない。というわけで、
「ありがとうございました」
自分の場を空にして俺は席を外した。これで準決勝進出だ。平ちゃんと同じブロックだったので次の相手は平ちゃんだ。
「なんや、カルタは知らんいうとったけど流石は龍斗や!しっかしなんや出てくるまでに時間のばらつきがあるのう。なんで素人っぽい子とやったら遅くてカルタやってそうな子とやってたら早いんや」
「ホンマやねえ。私も見てたけど平次がいっつもサッサと出てきてるのに龍斗君はてんでばらばらやったな」
「これが今一番勝てる方法からだよ……あー疲れる」
「「??」」
「まあええわ。次は勝負じゃ!龍斗!!今日こそお前に勝ったるからな!」
「あ、もう平次!ごめん、龍斗君。また後でな」
「ああ。また後で。時間に遅れないようにね」
勝負前に一緒にいることを嫌ったのか、俺から離れてどこかへ行った平ちゃんとそれを追っていった和葉ちゃんを見送り俺は縁側でぼーっとすることにした。
「おや。まだ帰ってへんかったんやね」
「んん?」
後ろからの声に振り向いてみると後ろにあの子がいた。
「君も準決勝に残ったのかい?」
「君もって……まさか勝ち上がってきたん?そっちのブロックは素人さんばっかりやったってことやね」
「あー……まあ確かに次俺が当たるのはさっきいた色黒の男の子だけど」
「なら、やっぱりこの大会はウチの勝ちです」
「それはどうかな?勝負はやってみないとわからないものさ」
「分かり切った勝負、というのもありますよ?失礼します、素人さん」
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