第六話 -小学校卒業までの色々-
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海から帰ってきて、引き続き俺は夏休みを楽しんでいた。
お盆に入る前にあった、帝丹小学校の校庭解放の日にとある事件が起きたらしい。その日俺は一日中家で料理の本を読んでいたので事件が終わった後に二人に聞いたのだが、どうやら蘭ちゃんがかくれんぼをしていた場所から出られなくなったらしい……確かに蘭ちゃんってビックリするようなとこに隠れるからなあ。普通人がいるとは思わないところに。
まあ、そのせいで閉じ込められたところを新ちゃんに助けられたらしい。流石だね。何が流石って蘭ちゃんのことをよく見てないと分からないことを根拠に見つけ出してるところが。
お盆は父さんの実家の京都に帰り、同じく京都に来ていた平ちゃんたちと遊んだ。いつもの調子でいたら平ちゃんに「なんや、おかんみたいやな」と言われてしまった。げせぬ。
そして、夏休みももう間もなく終わるというときに大事件が起きた。
小五郎さんと英理さんが別居したのだ。理由は分からないがそれを聞いたのは学校が始まってからだった。夏休みの終わりに大喧嘩してそのまま出て行ったというのだ。確かに夏休み終わりに蘭ちゃんと会えなくなっていたが宿題が忙しいのだろうと思っていたんだ。
それで、蘭ちゃんは俺に料理を教えてほしいと言ってきた。それから買い物の仕方なども……いや、俺がおかしいだけで普通の小学一年生はそんなこと出来ないしさせないぞ?しばらくは俺が作りにいくよと言ってみたが中々頑固に抵抗されたので結局最初に言われた料理を教えることに、俺が一人でも大丈夫だと判断するまでは一人で料理しないことを条件に承諾した。
それからしばらくは放課後一緒に商店街に買い物に行き、家で料理を教えるという習慣ができたのだった。食べて感想を言ってくれる新ちゃんがいるしね。やっぱり食べてくれる人がいると上達具合が違うわ。
それから、11月ごろに新ちゃんが近くであった「『死』の血文字」の変死事件の写真を学校に持ってきて蘭ちゃんに見せた(勿論説教済み)くらいで、無事一年生を終え、俺達は二年生になった。
―
それは、恒例の七夕飾りを作った日に起こった。帝丹小学校では低学年の子が短冊にお願いを書いて笹に飾るというイベントがある。『きれいになりたい』『世界一の料理人になる』『お母さんが早く帰ってきますように』『名探偵になる』……だれがだれとはいわないが、まあ書いて飾ったんだ。
その日の下校時、園子ちゃんも含めた四人で帰っていると後ろから
「毛利―!おまえんち、母ちゃん家出して帰ってこないんだって〜?」
「なによ、それがどうかしたの!?」
あの子は……坂本大介君か、同じクラスの。男の子が女の子をからかうってのはよくある光景だけど人様の家庭の事情ではやし立てるのはダメだな。
「こっのおう、がきんちょが〜!!
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