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名探偵と料理人
第五話 -さざ波の邂逅、他色々-
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どうやら、あの説教のせいでその前に言われた有希子さんの話がすっぽり抜けてしまったらしい。

「さてと、頭に乗っていたボウヤ。すごい身のこなしだったね。何か武術でもやっているのかい?」

俺が新ちゃんと話していると蘭ちゃんと話していた帽子のお兄さんが話しかけてきた。耳に入ってた会話によると、彼はジークンドーの使い手なのか。

「あれは猿武だよ」
「猿武?」
「とあるおサルさんたちばかりの所で盛んな、細胞の一つ一つをすべて同じ意志に統一して力を受け流す技術……だったかな。これで重力?ってのを僕は受け流したからあの男の人の上にのっていてもあの男の人は僕の重さを感じなかったのさ。こんな風に!」
「!!確かに何の重さも感じない……しかし、バカなありえん」

俺はそういって帽子のお兄さんの肩に乗った。「猿武」のおかげで俺の重さはほぼ0だから驚いているのだろう。新ちゃんをかばってくれたみたいだしこれくらいはサービスかな?

「よっと。それから帽子のお兄さん。新ちゃんを守ってくれてありがとうございました!僕は緋勇龍斗って言います!ほら、新ちゃんもお礼を言いなさい」
「あ、ありがと」
「あ、ああ。構わないよ。流石に大人として見逃せなかったしな……そうだ、ボウヤ達スマンが妹の相手をしてやってくれないか。妹は友達が欲しいらしい……」
「いいけど…」

新ちゃんがそういい、八重歯が特徴的な女の子と一緒に遊ぼうとすると遠くから車のブレーキ音と何かがぶつかった金属音が聞こえた。

「「「「「!!!!!」」」」」

崖の上からガードレールを突き破り、車が落ちてきた!車が海に着水し、そのまま沈んでいく。それを見た帽子のお兄さんが海へと飛び込んでいった。二人以上乗ってたら彼一人じゃ荷が重いか。

「二人とも!ライフセーバーか、監視員の人を呼んできて!!」
「おい、龍斗!!」

俺は、返事を聞かずに海に飛び込んでいった。海の中では先に飛び込んだお兄さんが救助を行っていた。俺が来たことに驚いていたが運転手の男性の様子を身振り手振りで聞くと首を横に振った……ダメか。車の中を見るとどうやら一人だけだったようだが車の後部座席にブランド物の時計が大量に入った鞄があった。お兄さんの指示に従ってお兄さんが車から男性を引きずり出しているのを横目にするりと後部座席に滑り込み、鞄を肩からかけて浮上することにした。

「ぷっは」
「ふう」
「お兄さん、龍斗。戻ってきたな!だいじょーぶか?」
「うん、なんとかね。帽子のお兄さんは?」
「ああ、オレも大丈夫だ。しかし君は大人顔負けの身体能力を持っているんだな……」

浮上すると新ちゃんが近づいてきて声をかけてきた。男性の安否を聞いてきたがダメであること、鞄がこの件の重要な手がかりであることを
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