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名探偵と料理人
第五話 -さざ波の邂逅、他色々-
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うとしていた若者がいたらしくそれにかみついていた。うんうん、食べ物を頂いたならしっかりと感謝の意味も込めて代金を払うのは当たり前のことだ、よく指摘した……じゃねえ、何そんないかにもバカです、を体現しているような奴らに突っ込んでってんだよ!ああ、もう。てーんいーんさーん!!
あの後、すぐに海の家の従業員に説明をし来てもらった。若者たちはこっちを睨みながら店の奥で事情を聴かれるために連れて行かれた。

「新ちゃん!悪い奴らをどーにかしようとするのはいい!とってもいいこと!!だけど、考えなしに動いちゃだめだ。俺はいいけど蘭ちゃんがまきこまれたらどーするの!あいつらみたいなのは阿呆なんだから何するかわからないんだからね?!今は夏なんだし!!」
「わ、わかったって。でも我慢できなかったんだよ。あいつら今にも帰りそうだったし」
「……店員さんが引き留めてたろ?他の店員さんにさっきの推理を言って伝えてもらえばよかったんだよ?」
「それじゃあオレが推理披露できないじゃんか」
「こういう相手に披露しても新ちゃんの方が価値を下げるから言わなくていいの!……ま、このくらいにしとくよ。あいつらの悪行を止めたのは確かに新ちゃんの功績だしね」
「ほっ」
「おわったー?」
「ああ、蘭ちゃん終わったよ。二人とも食べ終わったみたいだし有希子さんよんでくるね」

説教の間もパクパク食べてた新ちゃんと先に食べ終わってた蘭ちゃんにそう言って俺は隣の海の家に向かった。

「すみません、連れがいるので」
「いいじゃない、お姉さん。サングラスで隠しているけど俺には分かっちゃうよーお姉さんすっげえ美人ってこと!そのお友達と一緒に俺達と遊ぼうぜ!」

おお、ナンパだ、ナンパされとる。そりゃあされるわなあ。藤峰有希子さんだもんなあ。でもまあ時間の無駄だしさっさと助け舟出すかね。新ちゃんから目を離すのが怖い。

「ママ―、お昼食べ終わったよ」
「ま、ママ?」
「うん、僕のママだよ?ねえ、ママ?」
「え、ええ。そうよこの子は私の息子の龍斗よ。コブ付きをナンパするつもり?」
「……っち。なら最初からそう言えよ」

そういうと悪態をつきながら男は仲間と一緒に離れていった。はあ、夏だねえ。

「ごめんねえ、龍斗君。ナンパを躱すために一芝居打ってもらっちゃって」
「いいよー。それにしても有希子さんモテモテだね」
「そりゃあ、私ですから。でもどうしてここに?」
「食べ終わったから呼びに来たんだ」
「そうなの?じゃあ戻りましょうか」

そして、戻った俺達が見たのは誰もいなくなった寂しい席だった……おいおい。

「もう、勝手に動くなって言ったのに!!」
「ごめんなさい、俺が離れなければ……」
「あ、ああ。いいのよ龍斗君!悪いのはうちのバカ息子だから」

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