第五話 -さざ波の邂逅、他色々-
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びっくりしてたけど…」
さあ、これ食べて笑顔になってよ!−そういいながら笑顔の俺が差し出したマフィンに、最初は戸惑っていた様子だったけど、やがてなにかしらの結論が出たのかマフィンを受け取り笑顔になってくれた。その瞳に涙を浮かべて。
「ありがとう……ありがとう、龍斗君。こんなこと言われたの初めてよ。……有希子」
丁度料理を取って帰ってきた有希子さんは泣いているシャロンさんにびっくりしていた。
「な、なによシャロン」
「私にこの子を巡り会わせてくれた事に感謝するわ。本当に…本当に……感謝するわ…」
「も、もう。らしくないじゃない!でもシャロンも気ににいってくれたみたいしこれからパーティーを楽しみましょう!」
−
あの邂逅の後、無事に帰国し(新ちゃんが一緒にいたら殺人事件でも起こってたかもしれないが)八月となり、俺はいつもの三人と夏休みを満喫していた。新ちゃんの家で本を読んだり、蘭ちゃんと園子ちゃんとお菓子作りをしたり、公園で新ちゃんとサッカーをしたり…そんなある日、優作さんが執筆と避暑を兼ねて海に行くということでお誘いを受けた。特に予定の無かった俺と蘭ちゃんは承諾し、お世話になることになった。園子ちゃんは鈴木財閥の別荘で過ごすそうだ。
誘ってもらった海に来ていた俺たちは優作さんが夕飯まで缶詰になるということで有希子さんを保護者に海に来ていた。午前中に砂浜で遊んだり、泳いだりしてお腹をすかせた俺たちは海の家で昼食を取った。
「それじゃあ、私はちょっと隣の海の家で買い物してくるから。食べ終わってもここにいるのよ?特に新ちゃん!勝手にどこか行かないこと!龍斗君、二人をお願いね」
「そんなことしねーよ!わーったからさっさといってきなよ!母さん」
「ちゃんと見ておきますね有希子さん」
「はーい!」
「それじゃあいってくるわね」
そういって、有希子さんは隣の店に向かっていった……ああ、蘭ちゃん、ほっぺたに青のりついてる。
「蘭ちゃん、ほっぺたに青のりついてるよ。海にまた入るけど、女の子がそんなもの顔につけてちゃいけません」
「ありがとー、龍斗君」
ティッシュで青のりを取ってあげて、ふと正面を向くとそこに座っていた新ちゃんがいない!?うそだろ、言われて一分も経ってないのに!?
「おい、オレは見てたぞ!オメーらがハエ入れているところを!」
「なんだと、小僧!ふかしこいてんじゃねえぞ!!」
「その証拠に、そのハエ。全然ソースついてねーじゃねえか。最初から入っててオメーらがほとんど食い終わる時に初めて気づいたんならハエは一番下にあったってことになる!なのに全然ついてないってことはオメーらが食い終わってから入れたってことだ!!」
「ぐっ!」
どうやら、ハエを入れていちゃもんつけよ
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