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名探偵と料理人
第五話 -さざ波の邂逅、他色々-
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何かあったら手を貸してあげましょう。よろしくね。改めまして、シャロン・ヴィンヤードよ」

まさかのベルモットさんですよ。流石にこの人は覚えていた。どうしてこうなった。まあ、由希子さんの俺の将来を考えてのプレゼントだとは思うけど。父さんと母さんの伝手を借りたら両親の七光りって言われるだろうし。大女優シャロンから依頼を受けたってなればそれだけでも箔がつく。まあ、単純に親友に俺を紹介したかったってだけかもしれないけど……まあどっちでもいい人だよな有希子さん。ちょっと葵ちゃんの料理とってくるーと言って俺とシャロンさんの二人をおいていってしまった。

「ねえ、龍斗君……あ、龍斗君って呼んでも良いかしら?」
「うん、いいよ」
「じゃあ、龍斗君。君はご両親は『神』って呼ばれてるけど神様って本当にいると思う?」

シャロンさんはとても一言で良い表せない瞳をして俺に聞いていきた。

「神様?」
「ええ。あなたは現代に現れた神と女神の子供。そのあなたは『神様』ってどう思っているのかしら?」
「んー。僕はいると思うよ」
てか、白玉は一応神だよね?
「あら、それなら良いことをしている人がとても辛い目に合うのはどうしてかしら?私には神様は微笑んでくれなかったわ」
「んー……神様の役割は生きてる人を見守ることじゃないんじゃないかなー。ただそばにいる。そばに見守っている存在がいて支えてくれているという対象であることが神様の役割のひとつだと思う。だからこれからも頑張ろうってなれるんだ」
「なら、神様はいなくてもいいんじゃない?」
「うん。死んだ恋人さんとか家族とかでもいいんだ。でも神様はいるよ!そして神様にしかできない役割があるんだ!!」
「あら……ふふふ。なーにそれは?」

あ、ちょっと優しい目になってる。俺の子供らしからぬ神様の考え方には目を見張っていたみたいだけど今は子供の言うことを聞いてあげる大人の目だ。こうして見ると綺麗で優しそうな人なんだけどなあ。

「それは……『魂の管理』」
「!!?」
「生命は人も動物も植物も死ねばいっしょくたに混ぜられ、生前の全てを浄化される。そこに善人も悪人も老人も幼子も関係なく等しい扱いを受けるんだ。神様はその浄化作業と再分配にかかりっきりだから今生きている人のことなんか構ってられない。だから……」
「……」

俺の雰囲気に飲まれたのかシャロンさんは息を飲んで俺を見つめている。

「だから、シャロンさんは僕が笑わせてあげるよ!神様に微笑んでほしいってことはシャロンさんは今笑えていないってことでしょう?これから笑顔じゃいられなくなったら僕が笑わせるって約束!僕の料理で笑顔になって!このことは皆に自慢していいよ!だって、僕は将来『魂の管理者』になる存在だから!これってすごいことなんだよー!さっきは
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