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名探偵と料理人
第五話 -さざ波の邂逅、他色々-
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した人物も何人かはいたし、実際はもっといたと思う。原作なんて、印象深いもの以外はほとんど覚えちゃいないがメインの人はうろ覚えでも覚えている。現に……

『初めまして、坊や』
『こ、こんにちは。タツト・ヒユウです』
『あら、英語がしゃべれるのね』
『少しだけ。料理の本を読むために勉強したから』
『あら、龍斗君英語しゃべれるの。すごいわねえ』
『すごいって。知らないで私に話しかけさせたの?まあいいわ。それで、有希子。この子は誰なのよ。ヒユウってことはもしかして……』
『待った。龍斗君もいることだし日本語でしゃべらない?』
『……いいわよ。それでこの子はまさかあの緋勇夫婦のお子さんなの?」
「ええ、そうなのよ。今日のパーティで料理を作ってくれているのが葵ちゃんたちでね。手が離せないからって私が預かったの」
「そういえば、『お菓子の女神』とあなたは親友だったわね。そして納得が行ったわ。なぜ引退したあなたがこの会場に来ているのか。いつもは招待されても来ないのに」
「そりゃあもちろん、葵ちゃんたちが料理を担当するからよ♪」

今日はアメリカで開かれたとあるパーティに来ていた。なんでも世界を代表する俳優・女優が一堂に会する栄誉あるものらしくこれに参加するという事だけで箔がつくらしい。そして目の前で俺の視線に合わせて膝をついている女性。まさかこんな形で出会うとは。しっかりと覚えているよ。

「それで、シャロン。どう?この子。新一が来れなかったからもう一人の息子とも思ってる龍斗君を紹介したけど」
「と、いきなり言われても……とても綺麗な目をしているわね。それにとても素直そう。うちの娘と交換したいくらいね」
「そうね!ほんっとうに新ちゃんも龍斗君の1%でも素直だったらいいのに……あ、龍斗君持ってきてくれた?」
「うん。さっき厨房借りて。でも簡単にできるものしかできなかったよ?」
「いいのいいの。ねえシャロン。この子はすごいのよ。だから彼がもっと大きくなったら手を貸してあげてほしいのよ」
「??まあいいわ。これは……マフィン?頂くわ」
「私も貰おうっと。うーん、やっぱり美味しいわね!龍斗君流石よ」
「一応、カロリー控えめになるように工夫したけどどう?」
「そうなの?それにしても、味が薄いとかはないわよ。普通にこのパーティで出してもいいくらいと思うわ。どうシャロン。……シャロン?」
「……え、ええ。ここまでとはね。アオイ・ヒユウの物を食べたときのような衝撃を受けたわ。これは彼一人で?」
「そうなのよ!一度家で一緒にお菓子作りしたことがあるけど全部一人でやってこの味を出してるのよ!それでどう?この子が大きくなったらシャロンの伝手を貸してあげる価値はあると思わない?」
「そうね。ここまでなら私が何かしなくても上がっていけると思うけど
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