暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
幼少期〜少年期
第四話 -工藤新一少年の冒険-
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「そ、そっか。お日様が出ているときは安心だよね。ね、園子ちゃん」
「う、うん言われてみればそうね。よかったー」
「それより、このこと新ちゃんに言ってみれば?よく図書室に行ってるし怖がって行かなくなるかもしれないし、お話の話題にもなるし」
「あ。そ、そっか。うん、言ってくる!ありがと龍斗君!!」

笑顔で新ちゃんに近寄っていく蘭ちゃん。最初は邪険に扱おうとしていたが話を聞いているうちに興味を持ったらしい。そこから話が弾んだのか前みたいに笑いあう二人がいた……よかったよかった。その様子を笑いながら見ていると園子ちゃんに

「大変だねえ、おにいちゃん♪」

と言われてしまった。ひ、否定できぬ。


次の満月の日。俺は蘭ちゃんにあの話を新ちゃんに伝えることを提案したことを後悔していた。なぜなら……

「し、新一ぃ、やっぱり行くのやめようよ。こんな時間に学校に行くの」
「だからオメーは帰れっていってるだろ。俺と龍斗だけでもいってくるから」
「だって、二人ともお化けに食べられちゃうかもしれないし」
「バーロー!この世にお化けなんていやしないんだっっつうの!!」

俺の阿呆、好奇心の塊の新ちゃんにお化けなんて非科学的なこと教えたら絶対正体を確かめてやるってなるに決まっているかじゃないか。それを心配になった蘭ちゃんまでこんな時間抜け出して。小さいころからの習慣か、俺を呼んだのはグッジョブだと言いたい。何も、この世で怖いのはお化けなんかだけじゃない。こんな時間に容姿がいい子供だけで外に出ていたら何に巻き込まれるかわかったもんじゃないからな。この事はあとで新ちゃんに説教しなきゃ。
それにしてもなーんか違和感あるんだよな。デジャヴュというかなんというか……

なんだかんだ言いあっている二人を見守っていると無事小学校につき、新ちゃんが予め開けていた窓から校内に侵入した。その時に不覚にも笑ってしまったのは新ちゃんに「校内に入るんだからしっかり靴脱げよ!」と怒られてしまったことだ。いや、俺が靴を脱がなかったのが悪いんだけど新ちゃんもしっかり小1なんだなあ。

警備員の酔いどれオジサンを躱して無事(?)図書室についた。噂の真実はカーテンと隙間風の音だった。種が割れたことで帰ろうとすると……
――本当にそう思うかい?――

「え?」

本棚の上に座っていた男がそう言ってきた。










「な、なんだお前!!?」

突然聞こえた声にオレは蘭を後ろにかばいながらそう言った。龍斗の方は……なんだよ、そんなこんな怖い顔初めて見たぞ。前かがみになっていつでも飛びかかれそうな体勢をしてるし。いつも穏やかにしていてそれでいてしっかりと悪いことや危ないことをしたら叱ってくれる、こっぱずしくていえねえけど兄貴
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