幼少期〜少年期
第三話 -サクラ組の思い出-
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これ全部推理小説かよ。
なんてことを考えていると、最近の不審な点を列挙し終わり、「あいつには負けない!」宣言をして新一君は出て行った……おいおい俺は放置か、連れてきたのは君だろうに。
「まったく。自分で連れてきたお友達置いてっちゃうなんて。あとでお説教ね。ごめんね、龍斗君」
「ううん、気にしてないよ。新一くんに言われて先生をこのところ見てたけど江舟先生確かにちょっと変だったよ。蘭ちゃんばっかりかまうから他の子からやっかみが多くなったりしてるし。前の江舟先生はそんなことしてなかったのに。それに……」
「それに、なんだい?気になっていることでもあるのかい?」
「うん、なんか蘭ちゃんの飲むお昼のお茶、他の子たちのと違って変なにおいがする。あれは美味しくないものだと思う」
「美味しくない?」
「あれは入れちゃいけないものが入っている……と思う。多分。席が離れてるから確かとはいえないけど」
そう、生前トリコ世界で鍛えた感覚がほんの少しだけだが戻った。それで注意深く観察するとお昼に江舟先生が渡す蘭ちゃんのお茶にだけ違和感があった。もう少し戻っていたら何が入っていたかまで分かるんだが。今はこれが限界だ。しかし、江舟先生が何かたくらんでいるのは間違いなさそうだ。
「すごいな、龍斗君は。小さくても立派な料理人と言うことか。分かった。今日はありがとう。これからも新一と仲良くしてあげてくれ」
「うん。あ、それとぼくが作ったマカロン持って来たんだ。後で食べて」
「あら、葵ちゃんが言ってたのはほんとの事だったのね。全部一人で?」
「うん。じゃあおやすみなさい!お邪魔しました」
本当に驚いた様子の優作さんがそういい、俺も教えたいことと渡したかった土産も渡せたので挨拶を済ませて自宅に戻った。
「有希子、龍斗君は本当にすごいよ。彼の嗅覚は人の範疇を超えている。」
「どういうこと優作?」
「新一の話から、先生が蘭ちゃんに何らかの薬物、おそらくは睡眠薬を飲ませているのはまず間違いない」
「ええ、それって大変なことじゃない!!?」
「ああ、だから明日一日様子を見てくるさ。そして、彼のことだ。彼はお茶に入れられた睡眠薬のにおいに気づいたんだ。子供の味覚は大人の3倍。他の感覚も敏感だからおそらく使われた薬物は無味無臭。しかも子供だから大人に使う量よりもずっと少ない。それなのに気づいた。しかも席が離れていたからといっていたからコップを持ってかいだわけではなさそうだ。彼の嗅覚は警察犬並みだよ」
優作はそう言い、龍斗が出て行った扉を見つめ彼が置いていったマカロンに口をつけた。
「!!?これは……有希子、これを食べてごらん」
「龍斗君が作ったマカロン?……なにこれ!!?葵ちゃんが作ったお菓子みたいに美味しい
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