暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
幼少期〜少年期
第三話 -サクラ組の思い出-
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クレーション室に行こうか。他のクラスの子もいるけどみんな仲良く遊ぶんだよ」

おっと、いつの間にやら朝のあいさつの時間が終わってレクレーション室に移動になったようだ。っと、その前に

「先生」
「どうしたんだい、龍斗君?」
「ちょっとトイレに行ってきていい?」
「ああ、いいよ。僕はみんなをレクレーション室に連れて行かないといけないからついて行ってあげられないけど他の先生を……と思ったけど、龍斗君なら大丈夫かな?」
「ははは……はい、大丈夫です。一人で行けます」

どうやら、江舟先生にもしっかり俺の評価は伝わっているようだ。さてと、トイレをさっさと済ませてレクレーション室に行くとしますか。みんな仲良く遊んでるといいんだけど…

「ほら、二人とも握手して!はい、これで仲直り!」

おいおい、俺がトイレに行って帰ってくるまでそんな時間かかってないのになんで喧嘩してるんだい園子ちゃん?しかも泣いているのは男の子だし。

「なにがあったの?」
「あ、たつとくん。あのね、らんちゃんのバッジがちがうっておとこのこたちがとりあげたからそれをとりかえしたの!でも、びりびりになっちゃって」
「うん、でもおかあさんがつくってたところみてたからだいじょうぶだよ!」

あー、これは男の子たちが悪いな。でもしっかり怒られてみたいだし俺が更に何か言わなくてもいいか。それにしても蘭ちゃん強がって泣かないようにしているのが丸わかりだな。でも何でもかんでも世話を焼くのも良くないし……ダメそうなら後でフォローするとして様子見かな。

「そっか。じゃあピンクの画用紙とペンとはさみ持ってくるね」
「ありがとう、たつとくん。でもいまはいっしょにあそぼ?」

そういって、俺をおもちゃのある方へ引っ張っていく蘭ちゃん。まったく、子供なのに気使い過ぎだって。

「まってよーらんちゃん、たつとくーん」


お昼食べ、お昼寝の時間になった。トイレに近い方から蘭ちゃん、園子ちゃん、俺の順に並んで横になった。蘭ちゃんが寝る前にバッジを作る材料をとってきたみたいだから寝る時間を削って作るみたいだな。……まったく優しい子だよホントに。

「ぐす、ぐすっ。もう少し、もう少しで……」

鼻をすする音に涙が落ちる音。これは起きてフォロー入れるかな。流石に子供が泣いているのは耐えられん。
そう思い、起き上がろうとしたとき、

「オレにもつくってくれよ。それ、サクラだろ?」

蘭ちゃんの枕元に小生意気そうな見慣れない子供がいた。……いや、確かにこの保育園では見たことがない子だ。なるほど、今日だったのか。

「だからわかったんだよ、オメーがサクラのバッジなくしてビービー泣きながらサクラを作ってる泣き虫だってな」
「「「「「「「ワ――ッ!!!!!」」
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