幼少期〜少年期
第二話
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いるわね。ここ三年は仕事に出ていなかったのに前より美味しいじゃない」
「たっくんのために作ってたからそのおかげよ」
「うん、本当に美味しいわ。ぜひ今度うちのパーティでも腕を披露してもらいたいわ」
「しばらくは日本中心で仕事の依頼を請けようと思っているのでその時は是非!」
女性陣はきゃいきゃい言いながらさっきまでご飯を食べていたとは思えないほどのペースでデザートを食べていき、男性陣もそれには及ばないが普通の男性が食べるペースよりは早いスピードで舌鼓を打っていた。
「うむ、わかったぞ。」
「何が分かったんですか、史郎さん?」
「あなたは、確か……」
「わしは、この家の真向かいの家にすんでおる阿笠博士というもんじゃ」
「おお、これはすみませんな。どうにも料理のインパクトに押されて。自己紹介をしてもらったというのに」
「いえいえ。その気持ちもわかるというもんじゃ。それでわかったとは?」
「そうそう、龍斗君が作ったものですよ。ずばりこのクッキーだ!パンを食べたときと同じような衝撃を感じたよ。今まで仕事柄美味しいといわれるものは古今東西食べてきたが緋勇一家の作るものは本当に一線を画している!ねえ、兄さん」
「おお!確かにわしもうまいもんはあらかた食べつくしていたと思っておったんじゃが、まだまだ甘かったようじゃ!!」
そういって、次郎吉さんもクッキーをほおばった。それを聞いていたのか母さんが笑顔を浮かべながら
「正解です!私もたっくんとこれを作ったとき成型くらいしか手伝っていないんですよ。実は出来上がったものを味見したときこのクッキーは出さないで独り占めしたいなって誘惑に駆られて、それに負けないようにするのが大変だったくらいなんですもの」
その言葉を聴いた女性陣は今まで華やかなケーキのほうばかりに気をとられていたようで、シンプルなクッキーゆえに地味に見えて隠れていたそれをすぐさま見つけて口にした。すぐさま笑顔になっていく様子を見て俺も笑顔になった。
「それでは皆さん。今日はそろそろお開きと言うことで。お土産に龍斗の作ったパンとクッキーを包みますので。何かパーティなどがあればこの緋勇一家にお任せください!」
そういうと、みんなから自然と拍手が出てこのお祝い会は終了となった。三人で門扉まで見送りし、みんなが見えなくなってから聞いてみた。
「父さん、最後のあれなんだったの?」
「あれ?」
「パーティっていってた」
「ああ、あれな。今度から時間があれば龍斗も俺たちが呼ばれたパーティに積極的に連れて行こうと思ってな」
「パーティって今日みたいにいっぱい人が集まってご飯食べる?」
「そうだ。鈴木会長は作る側にとても配慮をしてくれる良い方でこちらからお願いしたいくらいだし、ああ言えば色々な場所で宣伝してく
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