暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
幼少期〜少年期
第二話
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二口食べるとそのまま黙々と食べ始めてしまった。
ああ、父さん本気出しすぎたな。父さんのほうを見ると母さんと一緒に苦笑していた。事件終わりの刑事二人が酒も飲まずにご飯食べている姿は中々見れないんじゃないかな。しかもあの小五郎さんがだよ?
必然、子供の面倒は俺が見ることになるわけで。

「おいしいーーーー!!うちのシェフのよりずっとおいしいわ」
「うん、うちのおかあさんのよりももっともっとおいしい!」
「ああ、ほら二人とも口の周りについてるよ」

美味しい美味しいと言いながら子供用に味付けされた料理をぱくぱく食べている二人の口元についた汚れを拭きながら俺も自分用にとった料理に手をつけた。…うん、これは大人の人が黙ってしまうのも分かるなあ。どれだけ気合いいれたんだよと父さん。

「んん!?何だこのパン」
「どうした毛利君」
「いえ、目暮警部補殿、このパンがですね」

おや、あれは俺が作ったパンかな。料理を両親と一緒に作れることがうれしくて、培った経験と技術をこれでもかって自重なく注ぎ込んだ塩パンだから美味しいとは思うんだけど。

「いや、このパン。めちゃくちゃ美味しいんですよ!シンプルなのになんというか、これがパンの頂点だって言われても可笑しくないってくらいに」
「本当かね、毛利君。どれ……た、たしかに。なんて旨さだ。それに他の料理とあわせても互いの味と喧嘩することなく調和している!!」

二人のやり取りを見ていたほかの人もパンに手を伸ばし口々に褒めてくれた。シチューにつけて食べている人もいればカレーつけている人もいる。そのみんなに共通しているのは笑顔であることだ。……これだよな。やっぱり料理人としての最高の報酬ってのは。

「ほんとにうまいのう。流石は『料理の神』と呼ばれる龍麻君のパンじゃ!!!」
「いえ、その塩パンを作ったのは龍斗ですよ。材料の割合やらパンのこね方、寝かし方、焼き加減に至ってもそれが美味しくなる最良のものだと分かっているかのように目分量でやっていました。私たちが手伝ったのは、成型とパンをオーブンにだしいれすることくらいですよ」

父さんはそう言って誇らしげそうにパンを食べていた。その言葉に周りの大人はびっくりしていたが、我にかえった後俺のことを褒めてくれた。

「さあ、皆さんのお腹も良いころあいでしょうし、次はデザートになります。こちらにもたっくんの作ったものがあるので当ててみてくださいね」

そういうと、母さんは色とりどりのケーキやクッキー、父さんと同じく各国の代表的なお菓子を乗せたお皿を持ってきた。女性陣はそれを見て歓声を上げていた。…蘭ちゃんも園子ちゃんも幼くても女の子なんだねえ。

「ああ、葵ちゃんのケーキ。小さいときから食べてるけれど、歳を重ねるにつれてどんどん美味しくなって
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