暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
幼少期〜少年期
第二話
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があるよね?おもちゃで遊ぶよりも俺たちの後ろで料理を作っているところを見るのが何よりも楽しそうにしているし、気づいていないかもしれないけど動きを真似ている。その動きを見て葵と俺は確信したんだ。この子は俺たちよりずっとすごいところに立てるって。難しいことを言っているのはわかってるし今は分からなくてもいい。ただ、俺たちはそんなお前の料理を食べてみたい。そしてこう言いたいんだよ。これがうちの自慢の息子ですって」

三歳児に言うことではないことを自覚しているであろうに、父さんの顔は料理を作っているときと同じかそれ以上に真剣な顔でそういった。後ろの母さんも微笑みながら頷いていた。……ああ。俺はこの二人の子供に産まれてよかった。この個性を、こんなにも早く見抜きそして肯定し自慢としてくれる人なんてほかにいるだろうか!!

「父さんと母さんと一緒にお料理作るってこと?」
「ああ、一緒に作るのは嫌かい?」
「ううん、一緒に作りたい!!」
「じゃあ一緒に作りましょう。でもまだ危ないから包丁を使わないでいいものを作りましょうね」

そして、父さんと母さんと今生で初めてとなる料理を作った。それはパンとクッキーというとてもシンプルなものだったが今まで作ってきたものの中で最も温かい料理になったと胸を張って言える。

「いらっしゃいませ、ようこそおいでくださいました」

六時になり最初に阿笠博士が来た。次に毛利一家、そしてなぜか目暮警部補夫妻が到着した。どうやら小五郎さんが呼んだらしい。勝手に追加したことに英理さんは激怒していたらしいが二人増えたところでなんら問題ない量を作っていたので父さんは快く受け入れていた。
そして、最後に鈴木一家が到着した。こっちもなぜかあの次郎吉氏も来ていた。どうやら、史郎さんがぽろっとこぼしてしまったらしい。こちらも朋子さんが史郎さんに怒っていたが父さんが仲裁して事なきを得ていた。

「それでは今日は皆さん、三人の子供たちが入園式を無事迎えられたということでささやかながらお祝いの席を用意させていただきました。存分に味わってください。龍斗、蘭ちゃん、園子ちゃんおめでとう!それでは皆さん、乾杯!そしていただきます!!」
「「「「「「「「乾杯!」」」」」」」」「「「「かんぱーい!」」」」
「「「「「「「「「「「「いただきます!!」」」」」」」」」」」

父さんの音頭により今日のお祝い会が始まった。料理は父さん担当、そしてその後のデザートが母さん担当だ。父さんの本気度はいつものパーティに出すものと遜色ない、むしろ勝っているんではなかろうかと言うくらいの気合の入れようだった。普段は和食の依頼が多いみたいだけど今日は和・洋・中に各国料理が所狭しと置かれている。そしてそのどれもがうまい。最初は歓談しながら食べようとしていた大人陣も一口
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