14話→社長の真意と始まりの鐘A
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るが、君の予想の通り、多くはISには懐疑的だ。だが、私にとっては違う」
バサリ、といつの間にか出していたファイルの中身を広げる。
太郎側に開かれたそれに、ザックリと目を通す。
イージス艦……、ミサイル……戦闘機。
初めて目を通すそのリストに目を通してみると、そこには各機体に格納されている弾丸の数や、載るパイロットにいたるまで、あらゆる情報が記載されていた。
それはいい、まあ、説明が余りにも細かすぎるが、まだ理解の範疇だ。
だが、最後の欄にある『オッズ』という欄は一体……
「オッズの欄に疑問を持っているようだが、別に大したことではない。この兵器のプレゼンは、生きた人間の兵士を含む『戦力』をぶつけ、その勝敗に金銭をかける賭博の側面を含む、ということさ」
ほう、なるほどね。
まあ、国籍によっては、政治的な理由により『存在しなかった』という形にされる人間など腐るほどいる。
別に自分で集める訳でもあるまいし、そいつらを始末する事に懊悩することはない。
ただし、俺や束、社長等の知らない他人の死に鈍感な異常者視点で見れば、という但し書きがつくが。
「わかっているかと思いますが、その集まりに参加してISの有用性を見せるという事には反対です。あまりに表沙汰に出来ない部分が多い」
「ああ、分かっているさ」
その返答に当然のように頷く社長。
分かっているならなぜこんなモノを俺に見せたんだ?
浮かんだ疑問は、直ぐに解決した。
「だから、こいつら全員、俺たちの会社のISのダシになってもらおう」
ちょっとスーパーで買い物してきて?レベルの気安さで、社長はそう言った。
「…………はぁ?」
あまりの事に絶句した俺を、誰が責められようか。
「いやさー、知っての通り、現代で未知の兵器のプレゼンってむずかしいんだよ。下手に動くと国際情勢に関わるしね」
だからさ、と社長は続けた。
「いっそ暴走した兵器をISが鎮圧した………というシナリオでこちらで『演出』した方が楽だと思ったんだが…………分かるだろ?」
まあ、言いたい事はわかる。
俺と千冬以外の頼みを聞かない束と、曲がったことが嫌いな千冬。
マッチポンプを演出するなら、頼むのは俺一択だな。
頭をかきながら、短く了解の意を示す。
「…………分かりました。手を貸しますよ。」
ただ…………
「わかっていると思いますが、ネタばらしは千冬にしないで下さい。確実に止められます。で、束とは俺から話をもっていって擦り合わせます。恐らく似たような事は考えているから、束の意向を多分に組み込めば協力してくれるでしょう」
最後に…………太郎は社長に言った。
「この『ヒーロー役』を千冬
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