レッドローズ・バレンタイン
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「薔薇を買ったのは今日だけどさ、それは大分前から用意してた。中々、渡す勇気が無くてな……でも、言うよ」
こんな形で手渡される指輪の意味を、流石のエルシャでも知らないわけがない。
だから、次に告げられる言葉の内容も、予想がついていた。
「――エルシャ。俺と、結婚してほしい」
「はい、私の先輩」
言葉は、反射的に口から出た。体も、同じように動いた。薔薇の花と、指輪の入ったケースを手に持ったまま、薔薇の棘を刺さないように。ケースを落とさないように。そっと、でも激しく。
エルシャは、ソレイユを引き寄せると、その唇を自分の唇で塞いだ。
***
赤い薔薇の花ことばは、「あなたを愛している」。
純粋で、純朴で、何よりもわかり易い、愛情の言葉。
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