ペルソナ3
1965話
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ープの孫請けの孫請け、そのまた孫請け……といった程度の規模しかない筈だ。
門世界からやって来たエルフ達がいるおかげで、かろうじて3桁の人数に達しているが、結局はその程度でしかない。
勿論労働力という点で考えれば、バッタやメギロートを始めとするAI制御の無人機がいるし、それ以上に量産型Wという人造人間の力も大きい。
改めて考えてみると、それだけの人数で幾つもの世界と友好関係を築いているシャドウミラーって、色々と無茶な国だよな。
これが友好関係ではなく支配とかだったりしたら、それこそ絶対に破綻していただろう。
そういう意味でも、やっぱり現地の友好勢力にその世界の支配を任せるというのは、最善の選択だったのだろう。
間接支配……いや、別に支配をしている訳ではないか。
「そうか。だが……お前に今何かがあれば、美鶴にそのしわ寄せがいく。それは分かってるんだよな?」
その言葉に、武治は少し考え……やがて溜息を吐き、書類を机の上に戻す。
強面の見かけとは裏腹に、武治は親馬鹿なんだよな。
美鶴はそれに全く気が付いていないようだったが。
うん、この辺り、何だかんだとこの親子は似てるよな。
「……で、私に用事という話だったが? 昨日の件であれば、現在至急映像を分析させているところだ」
「ああ、その件にも関わってくる事だが……そうだな、武治が知ってるかどうかは分からないが、こう見えて俺はかなり勘が鋭い」
「その辺りは何となく報告を受けている」
正確には勘ではなく念動力なんだが……まぁ、そこには長年戦場を潜り抜けてきた、戦士としての勘があるのも間違いではないが。
「そうか。……単刀直入に言おう。お前達にとって、幾月という人物はそこまで信頼出来る相手か?」
「……幾月?」
完全に予想外の事を言われた、そんな視線を武治は俺に向けてくる。
この様子からすると、武治にとって幾月というの信頼出来る部下だという認識だったのだろう。
「そうだ。考えてもみろ。昨日見た映像……それを加工するとして、一番そうしやすいのは誰だ?」
「それは……いや、だが幾月は長い間桐条グループに対して誠実に接してきた人物だぞ? なのに……」
裏切る訳はない。……もしくは裏切るとは考えたくないといったところか。
「そうだな。勿論俺の考えすぎかもしれない。だが、俺は幾月が怪しいと思っている」
生理的に幾月が駄目だというのは、当然理由にならない。
もしそれが通るのであれば、それこそ俺が嫌いな相手は全員がその対象になるという事なのだから。
だが、多少駄洒落好きであっても、普段であれば俺は幾月のような性格の相手を、そこまで拒絶したくなる、とはならない筈だ。
つまり、そこには何か理由があるのは間違いない。
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