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儚き想い、されど永遠の想い
304部分:第二十三話 告白その五

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第二十三話 告白その五

 納得した顔になりだ。頷いた。
 そうしてだ。二人でこう義正に言ってきたのだった。
「それならだ。大阪のな」
「食べ物も広めてくれるだろうか」
「大阪のですね」
「大阪は昔から美味しい食べ物が多い」
「まさに天下一品のだ」
 この頃から大阪は食の都と言われていたのだ。これが江戸時代からでだ。豊かな食材を使ってだ。様々な料理が発展してきたのだ。
 その料理については二人は義正に話すのだ。
「それを関西全てに広めて欲しい」
「こちらとしてはそうして欲しい」
 これが彼等の願いだった。
「大阪に拠点を置いてくれるのなら」
「そこから」
「勿論です。ただ」
「ただ?」
「ただというと」
「大阪のものだけにしたくはありません」
 義正は微笑みだ。二人の老人に述べた。
「関西の全ての食べ物をです」
「広めたい」
「そう考えているのか」
「この京料理にしてもです」
 彼等が今食べているだ。その京料理にしてもだというのだ。
「今神戸で食べていますね」
「それと同じようにかい」
「関西全土の料理をあらゆる町で食べられる様にしたい」
「それが君の考えなのか」
「大阪だけではなく」
「鉄道はあらゆるものをつなぎます」
 ただ地域と地域をつなげ人を移動させるだけではないというのだ。
「ですから。神戸に京都、奈良に滋賀に和歌山」
「まさに関西全域か」
「八条財閥が目指すのは」
「そして三重も入れます」
 この頃からだ。三重も次第に関西に入れられていっていた。基本は東海だがそれでもだ。関西にも含まれるようになっていたのだ。
 その三重についてもだ。義正は話した。
「二府五県をです」
「つなげてか」
「あらゆる食べ物を」
「食べ物だけでなく」
 義正の語るものはだ。さらに大きくなった。
「他の文化もです」
「一つにする」
「鉄道により」
「そして百貨店でもです」
 百貨店もだ。それに使うというのだ。
「そうして関西の全ての文化をそれぞれの場所で広めたいのです」
「大きいな、わし等が考えていた以上だ」
「そこまで考えていたのか」
「はい」
 その通りだとだ。義正は微笑んで答えた。
「如何でしょうか」
「見事だ」
「そう言うしかない」
 これが彼等の返答だった。
「どうやら君も八条財閥もだ」
「わし等が思っていた以上に遥かに大きいな」
「そうか、関西全土をか」
「一つにか」
「今はまだ計画だけです」
 机上のことに過ぎないというのだ。今の時点では。
「しかし。線路を敷きです」
「計画は進めていくのか」
「順調に」
「その為に線路の広さも統一しています」
 もうだ。それもしているというのだ。

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