第一章 ようこそ弱肉強食の世界へ
第1話 再興、ユクモ村
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に集まっていく。
「女将さん、一体彼らは如何したんだ?」
「な〜に、我らが“ユクモ村の英雄”が帰って来た合図がさっきので、皆で出迎えに言っただけさ」
女将の言う通り、北側入り口から赤毛の青少年――――衛宮士郎が帰ってきたので、集まっていた村人たちの歓迎を受けている。何時も通りに。
「皆さん、t」
「お帰り、我らが大英雄!」
「待ってたわよ。士郎ちゃん!」
「ご飯ちゃんと食べてたか?ちゃんと睡眠取ってたんだろうな!?」
「何所か怪我してないか?」
「士郎に限って怪我なんてするわきゃねぇだろぉ?」
「それでも心配するのが家族ってもんだろ!?」
「・・・・・・・・・」
士郎本人をしり目に、出迎えに来た村人たちだけで何故か盛り上がる。
それに対してシロウは、何と声を掛けようかと考えながら思い出す。
一年前のあの後、他に行く所があるのかと聞かれたので根無し草だと答えると、今日からユクモ村に住むと良いと勧められたのだ。
自分達を救ってくれた恩人と言う事から快く受け入れられたが、最低限の行動しか熟してこなかった村に歓迎のもてなしなど出来る筈も無い。
それを奉仕体質の士郎が色々な面で全力で動き回ったので、今の復興にも相当尽力している。
この事から士郎を最早完全に身内同然と見る様になった村人たちは同時に、その後の色々もあってか大英雄とも呼ぶようになった。
だが大英雄なんて呼ばれるなど恥ずかしいから止めてほしいと願ったが、それを照れや謙遜と取られたようで、ますます気に入られて大英雄と呼んでくる人たちが増えた。
これに今までの経験上、此方が折れるしかないと判っているので、内心で溜息を吐きつつ渋々受け入れたのだ。
取りあえず自分そっちのけで盛り上がっているユクモ村の皆に、誰もが帰ってきた時用の言葉を紡ぐ。
「皆さん、ただいま」
「おかえり」
「おかえりなさーい!」
「「「「「「おかえり、我らが大英雄ッ!!」」」」」」
「あ、ははは・・・・・・」
表面上で苦笑いをして、内心ではガックシと項垂れる。
言える事はただ一つ――――、
(なんでさ・・・)
確実に増えている。
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