第一章 ようこそ弱肉強食の世界へ
第1話 再興、ユクモ村
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度で臆したりせずに、ティガレックス亜種を見続けるだけ。
それを如何受け取ったのか、ティガレックス亜種の赤く変質した瞳に殺気が漲る。
ガァアアアアアアッッッ!!
ティガレックス亜種は雄たけびと共に士郎に跳びかかって行った。
−Interlude−
此処はユクモ村。
他にはない独特な歴史、風習、食べ物と言ったモノがあり、観光名所としても賑わっていた――――二年ほど前までは。
二年ほど前から村の付近に今迄は決して現れる事の無かった、三体の凶暴なモンスターが出現したせいだ。
大轟龍、ティガレックス亜種。
白海龍、ラギアクルス亜種。
黒狼龍、ジンオウガ亜種。
世にも知れ渡る凶暴なモンスターたちが過去最大級の大きさと凶暴さで周辺地域に広まり、討伐依頼が組まれて多くのハンターが挑んできたが、未だ討伐できた者はおらず、全員逃げ帰って行っているのが現状だ。
その為、時が経てば経つほど事態は深刻化し、半年前までその三体の縄張りがさらに拡大し、もうすぐでこの村にも届きそうなほどだった。
住民たちは怯え続け、徐々に活気も消え失せて行き、最近では村を維持するために最低限の行動を終えたら、ほとんどの住民は家に隠れるように戻り、事態の解決を天に縋る様に祈っている。
そしてそれはユクモ村村長も同様だった。
少し前までは、きっともうすぐ事態は解決すると励まし続けてきたが、怯え続ける村人たちにその声は徐々に届かなくなり、無意味と悟ってからは自分も最低限の仕事を終えたらすぐに屋敷に引っ込んで行く日々。
ついこの前など、丁度誰もいなかった地点だからよかったが、凶暴なモンスターたちの縄張り争いの末の余波なのか、岩が村の外から飛んできて危険だった。
さらには毎日のように昼夜問わずに凶暴な雄たけびが聞こえて来る、こんな日々が続けば否でも怯える様になっても仕方がないだろう。
少し話は変わるが、嘗てこの村の近くには姉妹都市ならぬ姉妹村があった。
そう、あったのだ。つまり過去形。今では単なる廃墟で、そこに居た村人たちの亡骸はこの村の墓地で眠っている。
今は廃墟の名前はユキリ村。
そこはある日を境に、ほとんどの村人が全滅したのだ。
不幸な偶然。凶暴なモンスターたちの争いに巻き込まれて。
生き残った者はただ1人で、たまたまユクモ村に用があって免れたのだ。
しかしたった一日で家族に親しい者達を失ったその者は、絶望して自決しようとした所、村長があれこれ尽くし続けて、最後のある言葉を告げて気力を取り戻させたのだ。
『村を全滅させたモンスターたちが憎くは無いの?』
これにより生き残った者――――娘は、以来復讐を果たすべく、その地から旅
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