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リリなのinボクらの太陽サーガ
憤怒のソリダス
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際なんだろう? 故に君はシャロンをドライバーにして精神を安定させようとしているが、そんなギリギリの状態でありながら、シャロンの意思を尊重して動いている。正直に言って、尊敬に値するよ。だけど彼女がドライバーになるのが遅ければ、君は“レメゲトン”として―――」

ブォンッ!

「その名で呼ぶな」

無機質な目で途轍もない殺気を放ちながらレンチメイスをシオンに向けるケイオス。傍から見ていた市民達も、ケイオスのあまりの雰囲気の変わりように驚いてざわついていた。

「……はぁ」

そんな彼らをよそに、微動だにしなかったシオンはため息をつき、メイスの先端をゆっくりと払う。

「ごめん。私としたことが、迂闊な発言だった。色々あったせいで私も疲れててね、頭の回転が少し鈍くなってるんだ。今のは水に流してくれるかい?」

「……いい、俺もカッとなった」

メイスを下ろしたケイオスだが、シオンは彼が不器用なりに最善を尽くしているのだと知っているから、謝られても申し訳ない気持ちがくすぶっていた。

「さて……空気が重いのも承知の上で話を戻すけど、シャロンの件は一応手を打ってる。密かにナンバーズが4人ほどこっちに来てたそうだから、彼女の救援を頼んでおいたんだ」

「ふ〜ん、4人か」

「ただ問題が一つある。騎士ゼストが率いる部隊が、地上本部に帰還する前に彼女の捜索に移ってる可能性が高い。君の前でこう言うのはアレだけど、彼女の捕縛は管理局正規の任務、犯罪者やテロリストのように拘束するわけにはいかなかった」

「……はぁ」

「あの部隊は管理局の中でもかなりやり手だ、もし戦闘になった場合、ナンバーズだけで勝てるかは正直わからない。だからケイオス、頼むね」

「ん。頼まれた」

その一言を合図に、まるでカタパルトから発射されるかの如く飛び出していくケイオス。彼の出撃を見送ったシオンは、空を見上げてギジタイを眺め、呟く。

「やられっぱなしというのも癪なんでね。少しばかり、嫌がらせさせてもらおうよ」

シェルターの管制室に移動したシオンはそこのモニターやコンソールを全て展開し、深呼吸で頭をスッキリさせると、普通の魔導師の何十倍もの並列思考(マルチタスク)を発動、とてつもないタイピング速度でギジタイへのハッキングを始める。

「ギジタイの天候操作は、あらかじめ設定されていたプログラムによるもの。ハッキングでコントロールを乗っ取ってしまえば、こっちでも天候を操作できるようになる。さて、まずはこの暗黒物質の雨を止めますか!」

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