憤怒のソリダス
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う、出来ればケイオスと合流してからにしたいが……今は自分の身の安全が優先だ。
『それにしてもケイオスは今どの辺りにいるのでしょう? 他より激しい戦闘痕を辿れば良いのかもしれませんが、あまり悠長に探してる余裕はありませんし……』
「少なくともケイオスが負けるなんて想像できないから、きっと向こうもシオンと連絡して探してくれて……あ」
『そういえば……シオンもあの場にいましたね。ということはシャロンが管理局に拉致されたことも……』
「う〜ん……怒ったケイオスが地上本部にカチコミ仕掛けるかもしれないけど、まあ自業自得だし、そこまで面倒見切れないよ」
『止める気ゼロですか』
「止める余裕も無いからね。私の自由と四肢かかってるし」
『あ〜R型戦闘機のパイロットみたいにされますからね。あのまま地上本部にいたら』
「でしょ? だから今はとにかく逃げる!」
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第一管理世界ミッドチルダ北部。アウターヘブン社製シェルター付近。
「シオン、俺はシャロンを任せると言ったよ。なのになんで易々と拉致されてるの」
「面目ない……まさか管理局、それも清廉潔白で質実剛健を是とする、あの騎士ゼストがまさかこのタイミングであんなことをしてくるとは思わなかったんだ」
「で?」
「彼は次元世界を守るにはこうするしかないと、仕方がないのだと言ってた。そりゃ私達だって彼らの焦る気持ちは理解してるけど、アレは悪手にも程がある。シャロンは次元世界に対して強い苦手意識、敵意に近いものを持っている。この世界を救うためには、どうにかしてその感情を徐々に緩和していくべきだったのに、これではむしろマイナスに振り切ってしまう。急いで彼女の心を支えてやらないと、何もかもが破綻しかねない」
「破綻か。ツァラトゥストラの永劫回帰が始まったらこの世のモノは全て消滅するんだし、未来を望むなら彼女の邪魔をする奴は全部倒した方が良い気がする。俗に言う“必要な犠牲”って奴」
「はぁ……ケイオス、君は自分が大事に思う者と、それ以外の者への扱いに差があり過ぎるのが難点だ。ちょっとだけでいいから、その視野を広げてはくれないのかい?」
「やだ、めんどい」
「はぁ〜、まだ君はその辺りが厳しいか。いや、広げるのは彼女の役目だったか。ところでさっき管理局の通信を傍受したところ、どうやらシャロンは自力で地上本部から脱出したらしい。私の予測では、今頃市街地の南の方へ逃げてるはずだ」
「ん、そう。なら俺も行く」
「待った。彼女の所に行くなら、その前に渡しておきたい物がある。……これだ」
シオンが取り出したのは、鞘にトリガー機構が付いた赤い長刀だった。ケイオスはその刀が何なのかすぐに思い
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