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ドリトル先生と奈良の三山
第六幕その九
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「水ってことでよくてね」
「それでなんだ」
「五行思想がしっかりしているから」
「徳川幕府はあそこに入ったんだ」
「そうだったの」
「たまたま豊臣秀吉さんにあそこを拠点にって命じられて移ったんだ」
 徳川家康さんがです。
「そうしたらね」
「五行思想から見てかなりよくて」
「それでなの」
「今に至るまで栄えている」
「そうなのね」
「うん、これまで何度も火事や地震に遭ったけれど」
 江戸という町が出来てです、そうした大災害が何度も起こってそうしてとんでもないことにもなっています。
 しかしです、それでもなのです。
「その都度復興していて今は首都なのもね」
「五行思想としていいから」
「京都と同じで状況的にいいから」
「それでなのね」
「幕府もあそこから長い間栄えたのね」
「財政的にはいつも困っていてもね」
 徳川幕府はそこは困っていたというのです。
「それでも二百年以上平和でしっかりと治めていたね」
「うん、二百年以上だからね」
「戦争がなくて平和だったってね」
「凄いよね」
「そうよね」
「それが出来たのも」
「平安時代も戦争が少なかったけれど」
 関東や東北では乱が起こっていてもです。
「それでもね」
「江戸時代は特によね」
「暴政も殆どなくて」
「残虐な刑罰もなかったし」
「災害があったにしても」
 それでもだったというのです。
「それでもね」
「物凄く安定した時代だったから」
「平和で賑やかな」
「そうした時代になったのも」
「五行思想的によかったから」
「そうも言われているのね」
「うん、あそこは他にもお寺や神社を結界として沢山置いているしね」 
 このこともあってというのです。
「京都も同じだけれど」
「そういえば比叡山は京都を鬼から護る為よね」
「あと高野山も」
「鬼が入って出る方角だから」
「出入り出来ない様にしている」
「そうなのね」
「その通りだよ」
 まさにというのです。
「京都もそうでね」
「東京もそうなのね」
「そうした結界としてお寺や神社もあって」
「長い間栄えている」
「そうなのね」
「五行思想とか神仏の考えではね」
 それが先生のお話でした。
「そしてその根幹がね」
「四霊獣なのね」
「そうなのね」
「この絵に描かれている」
「そうなのね」
「そうなんだ、この絵画がね」
 その絵画自体のお話もします。
「古墳の中にあったんだ」
「高松塚古墳の中に」
「そうだったのね」
「この古墳の中に描かれていて」
「私達も観てるのね」
「今こうして」
「そうなんだ、貴重な歴史資料だよ」
 この絵画はというのです。
「本当にね、それとね」
「それと?」
「それとっていうと」
「かなり古い絵だ
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