暁 〜小説投稿サイト〜
儚き想い、されど永遠の想い
3部分:前奏曲その三
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
御願いします」
「わかりました」
「貴方はどうされますか?」
 八条氏はメイドさんにチーズケーキも頼んでから。僕に顔を向けて尋ねてきた。
「お菓子はいりますか?いるとしたら何を」
「そうですね。僕は」
 少し考えてからだ。これにした。
「さくらんぼのケーキを」
「それをですか」
「はい、それを御願いします」
 僕はそれを頼んだ。そうしてだった。
 そのうえでだ。僕達はそれぞれのケーキを食べながらだ。本題に入った。
 八条氏はだ。こう僕に言ってきた。
「さて、それではです」
「そのお話ですね」
「大正時代の頃です」
 時代はその時だというのだ。
「その頃の日本は」
「大正デモクラシーでしたね」
「第一次世界大戦に勝ち経済も上向いてきていました」
 日露戦争と日韓併合による経済的、財政的な危機が何とか収まってだ。そうなってきたのだ。
「そのことは御存知ですね」
「そうした時代のことですね」
「そうです。あれは」
 ここから話がはじまった。その恋の話のことが。


前奏曲   完


                2011・2・12

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ