ペルソナ3
1964話
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の中に裏切り者がいるのは間違いなく、それをこのままの状況で……という訳には、武治の立場としては絶対に許容出来ないのだから。
「取りあえず、ゆかりはゆかりらしく、元気に笑っていればいいんだよ」
「……何よ、それ。もしかして私を口説いてるつもり?」
「いや、別にそんなつもりはないんだけどな。そもそも、今ので口説いているとか、そんな事になるのか? ただ、ゆかりらしくしていればいいって言っただけだぞ?」
「アクセルがどんなつもりでそう言ったのかは、この際関係ないのよ。私がどう受け取ったか。……それで言葉の意味は大きく違ってくるんだから」
笑みを浮かべてそう告げるゆかり。
取りあえず元気になってきたようで何よりだ。
父親の遺言の映像に手を加えられ、それで怒っているのも、悲しんでいるのも、残念に思っているのも事実なのだろうが……それでも、こうして見る限りでは問題はないらしい。
「まぁ、ゆかりにとって不愉快じゃなかったら、こっちもよかったよ」
「ふふっ、そうね。もし不愉快に感じていたら、イオを召喚してたかもしれないわね」
「……シャドウでもないのに、それは勘弁してくれよ」
「アクセルなら、シャドウより強いでしょ。……それに、いつも私を守ってくれるし」
「……ゆかり?」
口を閉じたゆかりは、そのまま座っていたソファから立ち上がって、俺の方に近づいてくる。
「影時間だから……それも、屋久島なんて場所にいるから、きっと私も今日はちょっと変なのよ。……私は、男に頼るような生き方はしないつもりだったんだけど、ね」
笑みを浮かべ……ゆかりはそのまま俺に近づき、やがてその唇は俺の唇に重なる。
触れるだけの、優しいキス。
しかし、十数秒が経ってそのゆかりが顔を離した時、その顔は今までに見た事もない程に真っ赤になっていた。
「……お休み。アクセルがいてくれて、本当に良かった。好きよ」
そう告げ、再度俺と唇を重ねると、今度は数秒で離れ……そのまま、急いで部屋から出ていくのだった。
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