ペルソナ3
1964話
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前後に、お互いの部屋を行き来したりしているし。
もっとも、ここは俺の部屋ではなく屋久島というリゾート地での夜の出来事だ。
そう考えれば、色々と誤解されそうな感じであるのは、間違いない。
「ほら、取りあえずこれでも飲め」
空間倉庫……ではなく、部屋に備え付けられていた冷蔵庫の中から取りだした缶紅茶をゆかりに渡す。
「ありがと」
そう答え、部屋のソファに座るゆかりの様子は、何とも言えない微妙なもの……と表現するのが正しい。
もっとも、それも分からないではないんだがな。
ゆかりにしてみれば、今日は……正確には武治に見せられた映像の一件は、色々な意味で衝撃的だったのだから。
最初は自分の父親が影時間を生み出した元凶だと思って衝撃を受け……だが、その次には俺が映像に細工をされているというのを見破ったおかげで、もしかしたら父親が影時間の元凶ではないかもしれない、と希望を持つようになった。
同時に、映像に細工が可能な人物……少なくても桐条グループの中に、自分達を嵌めようとした相手がいるという事もはっきりしたのだ。
ゆかりにとっては、目まぐるしい1日だったというのは、間違いないだろう。
「それにしても、今日の海は楽しかったわね。……そう言えば、私達は明日屋久島にある世界遺産の杉を見に行くんだけど、アクセルはどうするの?」
「どうするって……その辺りはまだ決めてないな。海で泳ぐか、山に行くか……取りあえず折角屋久島に来たんだから、別荘の中で寝ているって選択肢はないけど」
正直なところ、寝て疲れを癒やすというだけであれば影時間を使えば全く問題はないんだよな。
3時間から4時間程度の時間が影時間として毎日存在している以上、俺達にとっては1日が24時間ではなく、27時間から28時間くらいなのだ。
そうである以上、眠る時間は増やそうと思えば容易に増やす事が出来る。
「そうね。屋久島まできたんだから、何か遊ぶことをお勧めするわ。……もしよかったら、私達と一緒に来る?」
「それも面白いか。ただまぁ、今はまだしっかりと返事はしないでおくよ。もしかしたら、何か思いつくかもしれないし」
「そう」
ゆかりの誘いを断っても、そこに残念そうな色はない。
いや、全く残念そうではないという訳ではないのだが、それでも本当に心の底から残念そうに思ってはいないらしい。
映像の一件もあって、どこか本気でどうこうしようとは思えない、といったところか。
「明日の夜は、バーベキューなんかやっても面白いかもしれないな」
このままだとゆかりが際限なく落ち込むか考え込むだけだと判断し、話題を変える。
「バーベキュー?」
「ああ。バカンスにやって来たんだし、やってみてもいいだろ。……まぁ、この近辺は
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