暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜困った時の機械ネコ〜
第3章 『ネコにもなれば』
第41話 『機械士の実力』
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ございましたでしょうか?」
コタロウは深く頭を下げたあと疑問符を投げかけたがそれがまたオーリスをいらつかせる。
(この男は、なんだ?)
レジアスが言うにはこの工機課は『頭のいいやつにそれはわからん』らしいが、この融通の利かない男の何が分からないのか見当もつかなかった。
もう結構と彼を散らせたあと、興味からかウラカンとコタロウの調査報告を見比べてみた。
「……これは」
ウラカンはテスタロッサ・ハラオウンとの会話による調査でありコタロウはデータでの調査報告である。オーリスは確か見回り時にコタロウのほうが早く報告が終わっていることを覚えていた。であるのに、この男のほうが調査の量は多く、なおかつ質もよかった。もちろんウラカンは口頭調査というものもあり、粗さは出ていると思うが、それを差し引いてもなお彼のほうがよくまとめられていた。というより、このまとめ方は他の査察官の誰よりも読みやすいように思われた。それは自分も含まれている。
(工機課とはいったい……)
思うところがあり彼女は連絡をとるために回線をつないだ。
「失礼します。オーリスです」
「なんだ、査察の報告なら結果だけで十分だ」
「レジアス中将、ただいまお時間よろしいですか?」
「......構わん」
「工機課の人間に査察を依頼したのは彼らが優秀だからですか?」
そんな質問か。とレジアスは呆れるように目を逸らす。
「そうだが」
「……それは私よりも、ですか?」
彼女の常に冷静な表情と対比するような質問を聞き彼は眉を吊り上げた。
「何を考えてるかわからんが、そもそも優秀さなぞ能力が違えば計れるものでもないだろう。少なくとも工機課の人間が上に立って指導者になることはありえない」
「では――」
「ただもし」
彼は繰り返した。
「ただもし、査察部に2人いたとしたら……お前を含め必要ないだろうな。そういう人種だ工機課の人間は」
「どういうことでしょうか?」
「説明が面倒だからこれ以降は自分で調べるでもしろ。今ある管理局の今まさに踏んでる床、点いてる灯り等の耐久性向上、また戦中質量兵器の分析、デバイスが決して不具合が起きないように調整。戦火の中で壊れた防壁の即時修復、紙媒体から電子データへの速やかな移行と以降のペーパーレス化の確立、給与システムの移管。我ら地上部隊は多くの血を流してきたが、アイツらは泥をすすり死人の血を飲んでも生を望み、今ある環境を整備した人間たちだ」
はっきり言おう。と彼は続けた。
「お前のそのプライドの高さを形成し見下してきた人間だ。それを望んでその立場でいるんだ。見てきた場数と人の数、読み込んだ情報の量が違う」
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