106 褒美(すきやき)
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「はい、是非やってやろうと思います!!」
「よし、いい心だ。では、また会おう・・・」
片山は去って行った。
(藤木茂・・・。君は私が今まで見た中で最高の原石だ・・・!)
片山は藤木の底知れぬ実力をまた見てみたいと考えていた。
「それじゃあ、私達はこれで帰ろうか、吉川さん」
「はい、藤木さん、さようなら!」
「藤木君、また会おうね」
「うん、じゃあね・・・」
みどりと堀は帰って行った。
「それじゃあ、俺達も帰るか」
「そうだね。そうだ、茂に頑張ったご褒美に今夜はすき焼きにしようか」
「え、いいのかい!?でもお金が・・・」
「そんな事気にしなくていいよ。たまにはいい御馳走してあげようじゃないか」
「うん、ありがとう、母さん、父さん・・・」
藤木達も帰って行った。
病院に城ヶ崎の両親が駆けつけた。
「あ、君達、姫子は・・・!?」
城ヶ崎の父がその場で回復を祈るリリィと笹山に話し掛けた。
「今手術している所です!」
笹山が答えた。
「姫子、永沢君、無事でいてくれよ・・・!」
永沢は各務田にあちこち殴られた事で体の各部位にヒビが入っていた。城ヶ崎は肩からの大量出血で生死に関わる惨事であったが、輸血は何とか間に合った。
二人の手術は成功した。二人は暫くの間入院する事になった。リリィと笹山は各々の家に連絡してから帰り(この後リリィは首を突っ込んだ事で自分も命の危険に晒される可能性があったと両親から叱られた)、太郎は永沢の両親と連絡が着き、引き取りに来るまで城ヶ崎の両親が養う事にした。
藤木達は清水に帰って来た。
(遂に帰って来たんだな・・・。皆、もう不幸の手紙の事何か吹き飛ばしてやるぞ!!)
藤木達は家に帰り、荷物を整理した。
「茂、あのみどりちゃんって子から貰った花、花瓶に生けようか」
藤木の母が提案した。
「うん、そうだね」
藤木の母がみどりから貰った花束の花を花瓶に生け、藤木はそれを手伝った。それは玄関に飾られた。
(みどりちゃん、応援してくれて本当にありがとう・・・)
藤木は堀のみならずみどりにも謝意を示さない訳には行かなかった。不幸の手紙事件の後にスケート場で会って自分が卑怯者だと明かした時、どんな時も自分の味方であると言ってくれた。そして、みぎわと冬田に遭遇した時、自分としては少し情けなく思ったが、みどりは自分を庇ってくれた。自分はみどりは好みでないが、彼女のこの好意には答えてやろうと思った。そう思いながら、藤木は貰った楯を自分の部屋の棚の上に飾った。
夕方になり、藤木は両親と鍋料理専門の店へと向かった。そしてすき焼き入りの鍋が運ばれてきた。それを店員がガスコンロ上に乗せ、火をつけた。
「それじゃあ、金賞を獲った茂に乾杯だ!」
藤木の父がビールの入
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