106 褒美(すきやき)
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ん、本当におめでとうございます。残念ながら選ばれなかった皆さんもこの大会に出場した価値は大いにあります。賞を獲った皆さんは三週間後に松本で行われる中部大会が待っています。是非頑張って下さい!これにてアマチュアスケート静岡県大会小学生部門を閉会します。忙しい中お越し頂いた皆さんも本当にありがとうございました!」
こうしてアマチュアスケート大会静岡県大会小学生部門は閉会となった。
リリィと笹山は永沢達が搬送された総合病院へと向かった。病院に到着すると、先に着いた警察官達が回復を祈り、太郎が一人の婦人警官に抱えられていた。
「あ、あの、私達の友達は・・・?」
笹山が一人の警官に聞いた。
「ああ、今手術を受けているよ」
「そうですか・・・」
二人は永沢と城ヶ崎が死なない事を祈った。
大会が終わり、藤木は服を着替えた。和島が藤木に声を掛けた。
「藤木君、やるね・・・。ボクの負けだよ。だが、この仮は中部大会で返すからね。お、ぼ、え、と、け、よ!」
「望むところだよ・・・」
和島はそう言って去った。
その時、両親やみどりと堀がエントランスで出迎えていた。
「藤木さ〜ん!!」
みどりが駆けつけた。
「おめでとうございます!私、ずっと藤木さんを信じていました!本当に最高でした!あの、これ、どうぞ!」
みどりは嬉し泣きしながら花束を差し出した。
「あ、ありがとう、みどりちゃん・・・」
藤木は花束を受け取った。
「茂、お前よくやったな!さすがスケートだと日本一、いや、世界一だな!」
「父さん、ありがとう・・・」
「藤木君、凄いわ、よく頑張ったわね!」
堀は藤木に拍手した。藤木は堀に対して赤面した。
「これで学校の皆も貴方を見直してくれるわ」
「うん、そうだね、そうだといいな・・・。あ、堀さん、大会を勧めてくれて本当にありがとう・・・」
「え?ど、どういたしまして・・・」
堀も藤木に照れた。その時、片山がその場に現れた。
「藤木君、君の最後のアクセルからのスパイラルでの着地は私でもやった事がないくらいの技だったよ。実に素晴らしかった」
「片山さん・・・。あ、ありがとうございます!」
「貴方が元オリンピック選手の片山さんですか?私達この子の親です。本当にありがとうございます。息子はスケートだけが取り柄でして・・・」
「いえいえ、それは私も同じですよ。でも茂君は最高のスケーターです。彼ならきっとスケートで世界一になるでしょう」
片山は藤木に顔を向き直した。
「藤木君、今回の大会は君にとってまだ序の口に過ぎない。これから中部大会が待っているし、そこで賞を獲れば全国、そして世界へと次なるステージが待っている。どうだ、世界へ羽ばたく自信と覚悟があるか?」
「世界へ・・・」
藤木は一瞬考えた
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