永遠のメロディ
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なことに演奏を開始した。
「このタイミングでピアノとは・・・随分な余裕が・・・」
1歩歩み寄ったところで心臓が大きく跳ねるのを感じた。ラーケイドは立っていられなくなりその場に膝をつく。
「ただ、これは勝つための作戦ではありません」
なおもゆったりとした曲調の音楽を奏でるタクト。その目の輝きは少しずつ薄くなっていた。
「大切な人たちを守るための、僕の最後の一曲です」
♪♪♪♪
遠くから聞こえてくる音楽。はっきりと聞こえるわけではないが、それが誰の物であるか、この男にはすぐにわかった。
「タクト・・・」
ボロボロの体を何とか起こした一夜。彼は時おり聞こえてくるメロディに合わせるように立ち上がる。
「あ?まだ立ち上がれるのか?」
グレイもジュビアもラクサスも、全員が地面に伏せている。それを見た彼は自分の無力さを呪った。
「なぜ君たちが倒れている。なぜ君が生きることを諦めなければならない・・・」
「あ?」
目から零れ落ちた一粒の雫。一夜はワールの前に倒れるラクサスの前に歩み寄ると、彼にある瓶の匂いを嗅がせる。
「なんだ・・・そりゃ・・・」
「案ずるな。君は眠っていてくれればいい」
一夜は彼の前に差し出した瓶を自ら嗅ぐと、ある変化が起きた。
魔障粒子に犯され青ざめていたラクサスの顔色が元に戻った。変わりに、これまで何ともなかった一夜の顔色が一気に悪くなる。
「なんだ!?何が起きている!?」
なぜ一夜の顔色が悪くなりラクサスが治ったのか分析が追い付かない。一夜は力の香りで自らの筋力を最大限に高める。
「知っているかね?人間は、追い込まれた時にこそ本来の力を発揮できるのだよ!!」
一夜の使った魔法は入れ替えの香り。体内の異常を入れ替えることができる魔法。
「まさか!?自分を追い込むために魔障粒子を!?」
自殺行為としか取れないその行動に驚愕しないわけがない。ラクサスが持っていた魔障粒子を引き継いだことにより、一夜の息は上がってしまう。
「この一撃にすべてを賭けよう。友がしてくれているように」
次第に高まっていく魔力に危機感を抱いたワールは近付けさせまいと攻撃を連射する。しかし、背水の陣で臨む一夜にはまるで無意味だった。
「食らうがいい!!力の香り!!MAXメェーン!!」
「ぐあああああ!!」
ワールの肉体を破壊した一夜。心臓部を壊されたワールは機能が停止し、動くことができなくなった。
「タクト・・・死んではいけ・・・ない・・・」
体力の限界に達した一夜はそう言葉を残してその場に
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