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転生とらぶる
ペルソナ3
1963話
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り込んだ。
 それは、自分の父親が全ての元凶だと思い込み、この場から走り去ろうとしたゆかりも同様だった。
 やがて、そんな沈黙の中で口を開いたのは、当然と言うべきか、場慣れをしている武治。

「それは、本当なのか?」
「ああ。美鶴辺りから、俺の能力については色々と報告されてると思うが、その能力の1つに動体視力とか、その手の能力もある」

 正確には動体視力以外にもないような視力は複数あるのだが、取りあえず今はその辺りの事はわざわざ話す必要もないだろう。
 そう言いつつ、この映像を発掘してきたという幾月の方に視線を向けるが……そこにあるのは、驚きのみだ。
 それが他の面々と同じように、今の映像にそんな違和感があったと分からなかったからの驚きなのか……もしくは、自分がした細工を見抜かれたが故の驚きなのか。
 この映像を発掘してきたのが幾月だというのであれば、それこそこの映像を弄ったのが幾月だという事になる。
 元々俺は幾月とは生理的に合わなかった為か、もしそうだとしても驚きはしない。
 だが、武治にしてみれば影時間に関しては頼れる研究者であり、美鶴にしてみれば信頼出来る味方というのが、幾月だった筈だ。
 そうなると、やはり幾月を怪しむといった真似は出来ないのだろう。

「本当ですか? 僕もこの映像を何度か見ましたが、特にそのようには感じませんでしたが」

 幾月の言葉を聞き、他の皆も分からなくなった……といった風にこっちを見てくる。
 まぁ、この映像の細工はかなり良く出来ていて、それこそただ普通に見ているだけであれば、そこまで不思議には感じないしな。
 だが……それは、あくまでも普通に見ていれば、の話だ。

「武治、桐条グループにはこういう映像とかを分析するような部署とか、そういうのは当然あるな?」
「ああ、勿論ある。この時代、その手の技術は必要だからな」
「なら、話は早い。この映像を分析させてみろ。恐らく、俺が違和感があった場所を専門の技術者が分析すれば、すぐに分かる筈だ。……ただし、誰がこの映像に細工したのかが分からない以上、取り扱いには十分に注意する必要があるだろうな。それに……」

 そこで一度言葉を切ると、俺は意味ありげに幾月に視線を向ける。
 幾月は何故自分がそんな視線を向けられたのか分からないといった様子で、首を傾げていた。
 さて、これが演技なのか本当なのか……その辺は分からないが、これから俺が言う事で、その辺りも多少ははっきりとする可能性があるだろう。

「桐条グループが雇っているような、本物の腕の立つプロであれば、この映像が細工されたものだってのはすぐに分かる筈だ。それだけじゃなくて、どんな機材が使われたのか……場合によっては、その細工をした人物の癖から、対象が特定出来る可能性も少なく
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