ペルソナ3
1963話
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対し、頷きを見せる。
「そうだ。そして、他の人達にとっても、この映像データについては色々と思うところがあると思うけど……取りあえず、最後まで見て欲しい」
そう言いながら手に持っていたリモコンを少し操作すると、部屋の中にあったTVに1人の男が映し出される。
中年……と呼ぶにはまだ少し早いか? それでも見かけでは20代後半、もしくは30代前半といった年齢の男。
ただし、生活が不摂生な為か年齢以上に疲れているように見える。
そんな人物がTVに映し出され……
「お父さん」
ゆかりの口からそんな声が出る。
……なるほど。この男が桐条グループのスケープゴートにされた、ゆかりの父親か。
そしてTVに映し出された男……ゆかりの父親の口からは、独白が流れる。
曰く、美鶴の祖父は破壊に魅入られた……
曰く、究極の破壊とでも呼ぶべきデスを生み出す為の実験が行われそうだったので、それを防ぐ為に十二匹のシャドウを逃がした。
曰く、デスをどうにかする為には、逃がした十二匹のシャドウを倒す必要がある。
そのような事を言い、最後に自分の娘……ゆかりに対しての遺言を口にし……やがて、映像が止まる。
「っ!?」
そして映像が終わった瞬間、影時間を作り出したが自分の父親だったのだと知ったゆかりが部屋を飛び出ようとしたが……俺は、その腕を掴んでゆかりが出ていくのを止める。
「何するのよ!」
「待て」
「……え?」
苛立ち交じりに叫んだゆかりだったが、俺の口から出たのがゆかりを宥めるような言葉……ではなく、深刻そうな声だったからだろう。
ゆかりは数秒前に怒っていた事も忘れたかのように、こちらに視線を向けてくる。
いや、そんな視線を向けているのはゆかりだけではない。武治を含め、この場にいる全員が俺の様子に不思議そうな表情を向けていた。
「武治、1つ聞くが……この映像データはエルゴ研だったか。そこにあった物なんだな?」
俺が桐条の父親を呼び捨てにした事に再び驚きが部屋の中に満ちるが、それは関係ないと、武治にじっと視線を向けて返事を待つ。
そして、武治はすぐに頷く。
「そうだ。私はそう聞いている。……間違いないんだな?」
武治の視線が向けられたのは、幾月。
この映像データを発掘してきたのは、幾月で間違いないらしい。
「え、ええ。そうです。ですが、それが何か?」
何を言われているのか理解出来ない。
そんな風に視線を向けてくる幾月に、俺は改めて先程まで映像が映し出されていたTVに視線を向け、口を開く。
「さっきの映像、俺が見た限りでは口の動きと、実際にゆかりの父親の言ってる言葉がズレていたぞ」
『……』
俺の言葉に、部屋の中にいた全員が黙
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