舞い降りた天馬
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
対抗した男は腕を変形させ、真っ正面から拳をぶつけ合う。
「悪いが俺には“雷”は効かねぇんだわ」
「何!?」
機械族は本来雷に弱い。それはラクサスも知っていたが、目の前の敵には一切効いている様子がないことから、その言葉が真実であることを察知した。
ワールは次々に攻撃を繰り出していく。ラクサスも負けじとそれに対抗していくが、ワールは雷を自らのエネルギーとする秘術を修得しており、体力を削ることもできない。
「分析完了。体内が魔障粒子に犯されているがこいつの魔力はフェアリーテイルトップクラス。『お調子者』の人格設定では足元を掬われる可能性。
人格設定『冷酷』に上書き。強化外骨骼アサルトモード。標的を『ラクサス』1人に設定りマーキングを固定。魔力融合炉点火」
突如地面に手をつけ魔力を高めていくワール。その彼の体がこれまでのものから少しずつ変化していく。
「完全排除までの予想時間・・・90秒」
彼の体から強い光が放たれる。それはわずかにラクサスの肩を掠めていくに留まったが、威力は絶大。カルディア大聖堂の天井が一瞬で消え去った。
「アサルトワール、出撃」
戦いのためのフォルムへと変化したワール。彼の魔力がこれまでよりも上がったことをグレイとジュビアも察知した。
「グッ・・・」
そして時を同じくしてラクサスがその場に膝を着いた。命中したわけではないのに突然座り込んだ彼に2人は訝しげな顔をしていると、すぐにその理由がわかった。
「ラクサスさん!!口から血が・・・」
「完全に魔障粒子に犯されてやがるのか!!」
このタイミングで魔障粒子による体への負担がピークに達したラクサス。彼を守るようにグレイとジュビアが2人の間に立つ。
「残念だが貴様らの魔力では我には到底敵わない。まとめて消してやる」
ラクサスと互角以上に渡り合える魔導士。彼よりも魔力で劣る2人で歯が立つかはわからない。
「悪ぃがこいつらは俺らの仲間だ」
「やらせるわけにはいきません!!」
それでも2人は引くようなことはしない。一撃で消すために魔力を高め手のひらを向けるワール。大ピンチの妖精の尻尾だが、彼らの諦めない気持ちを天は祝福した。
「雷は効かないが、直接攻撃はどうかな?」
「!!」
真後ろから聞こえるイケボ。ワールはそれに驚き振り返ると、顔面に大男の拳が突き刺さった。
「メェーン」
「なんだ、貴様」
大男の正体は力の香りにより巨大化した一夜。なぜ彼がここにいるのかわからない一同は唖然としていた。
♪♪♪♪♪♪
「「「「!!」」」」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ