舞い降りた天馬
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、退屈そうな表情を浮かべた。
「ありゃ、もう終わりかよ。つまんねぇ」
彼はまだ辛うじて息のある3人の前に立ち、片手を向ける。
「こんな奴等にやられるたぁアジィールもブランディッシュも情けねぇ。やっぱり人間はつまらねぇな」
手のひらに魔力を集中させトドメを刺そうとしたその時、カルディア大聖堂の中に落雷が落ちる。
「テメェ・・・俺の仲間に何してやがる」
顔に血管を浮かべワールを睨み付けるのは雷竜、ラクサス・ドレアー。他の者とは比べ物にならない魔力にワールは思わず笑みを浮かべた。
ドサッ
魔力を使いきったミラは、空腹と相まって視界がなくなっていた。そしてついに、エルフマン、リサーナ同様に意識を失い、その場に伏せた。
「最後の欲を刺激するまでもありませんでしたね。つまらない」
彼は妖精の心臓目指してギルドに向かおうとした。その時、後ろから熱が迫ってきていることを察知し、体を反転させる。
「火竜の翼撃!!」
「くっ!!」
不意を突かれたことで攻撃を受けたラーケイド。そこにいたのは西の艦隊を殲滅した飛竜隊の4人。
「あれ?この人の匂い・・・」
「ナツさんに似てる・・・」
向かい合った敵の匂いにシリルとウェンディが顔を見合わせる。するとガジルが「いや」と呟いた。
「似てるんじゃねぇ、全く同じだ」
そう、ラーケイドの匂いはナツと全く一緒だった。すると、ラーケイドはナツの顔を見てほくそ笑む。
「やっと会えましたね、ナツ・ドラグニル」
「誰だおめぇ」
見覚えのない相手。さらには彼の仲間たちを傷つけたこの男にナツが優しく話しかけるわけがない。
だが、次のラーケイドの言葉に全員が唖然とすることになる。
「私はあなたの甥です」
「はぁ!?」
意味のわからない敵の言葉。それにナツは怒り狂い、考えなしに突進する。
「わけわからねぇこと言ってんじゃねぇぞ!!」
駆け引きなしの拳が当たるはずもなくヒラリと体をずらして避けるラーケイド。さらには足をわずかに出し、それを引っ掛かったナツはすってんころりん地面を転がる。
「「ナツさん!!」」
心配して駆け寄ろうとしたシリルとウェンディを制止するガジル。理由はラーケイドがこちらにも対応できるようにしているから。
「猫たちがいねぇ今は無闇に動くな。誰も助けられねぇんだから」
ハッピーたちは倒した兵隊たちを捕虜とするためにその場に留まり魔封石を付けている。空を飛べないこの状況で迂闊に飛び込むとこちらがやられてしまいかねない。
「わけがわからないことはないよ。それが事実なのだから」
「ッ・・・」
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